ペンギンノイズ
PENNGUIN NOISE プロフィール
94年4月、八十嶋の作る楽曲のもとに、井田、舍川が集まりデモテープ作りを始める。 3人共通の友達がペンギンノイズと命名。 96年9月、ゴッツポップレコーズよりファーストアルバム『トモダチ』を発売。大好 評となり、97年8月、東芝EMIよりメジャーデビュー。3枚のアルバムと6枚のシングル を出すものの00年3月、メジャーとの契約終了。 事務所を離れ、ふりだしに戻る状態。 3人ともアルバイトをしながらの活動。改名、解散...不安との葛藤の日々。 そこを乗り越え結果的に3人の結束はより深まる。そして2001年11月、良き協力者そ して大好きなアーティスト達への思いそんな僕らの気持を詰め込んだアルバムの完成! まさにペンギンノイズへの『イリグチ』。
イリグチ



収録曲
01. When you smile
02. Bad days
03. Morning Coffee
04. SIMPLE LIFE
05. presents
06. MY lost summer
07. Smash
08. Frisby
09. HEY! Spidy
10. When it's raining
[UKDZ-0007]
\2,415(税込)
DAIZAWA RECORDS
2001.11.09 out

BEATLES 一味唐辛子 ペンギンノイズ 
流麗、緻密、極上のメロディ 2001年型ギターポップのイリグチ ペンギンノイズ


まさに僕らの音楽のルーツへの『イリグチ』。全体的にスパイスの効いたような ピリ辛POPなアルバムです。
大好きなビートルズのメロディーに大好きな(×2)フレミングリップスを足したような...
Simple lifeや Presents, Hey! spidy そしてWhenit's rainingなんか特にそんな感じ。
コンセントにプラグを差し込む、ギターをかき鳴らすその瞬間に火を吹く!!
さぁ、迷わずにこの『イリグチ』のドアを開けて思いきって足を踏み入れて下ださい。

"We envy Penguin Noise because everything they do is executedwith pure, un-jaded enthusiasm ―― and whenever witnessingsuch a surrender of Self ―― the Self actually leaving it's possessor and manifesting itself in a thing ―― regardless of whether that thing is a piece of architecture, a novel, Quantum physics, religiousness, or pop music, it is always compelling."
The Flaming Lips, September 2001
ペンギンノイズが羨ましいよ。
彼らが生み出す作品はどれもピュアで、果てることのない情熱がある。
これほどまでに自我を削ぎ落としたもの
―といっても、その本質には本人たちの姿が確かに見えるのだけれど―
それが建築であろうと、小説であろうと、量子物理学であろうと、宗教心であろうと、 ポップ・ミュージックであろうと―
を目の当りにすると、いつだって感動せずにはいられないんだ。
2001年 9月 フレーミング・リップス   (翻訳:岩田 祐未子)
ペンギンノイズにとっての00年〜01年は、バンドの存在を賭けた大きな試練の時期だった。
メジャーレーベルを離れ、自主制作で音源を作り、ライヴで試行錯誤を重ね、原点に立ち戻り、 ようやく自分たちのいるべき場所を再確認するまでの、長く険しい2年間。その結果として、 みずみずしい生命力に溢れた傑作『イリグチ』がここにあるわけだが、 このアルバムの真の良さを深く味わうには、少し時間をさかのぼる必要がある。
まずは、メジャーレーベルに在籍した2年間(97年〜99年)についての、メンバー3人の自己評価だ。
「『JET LAG』(98年)は、今でもいいアルバムだと思う。大好きなFLAMING LIPS と一緒にできたのはよかったな」(舎川)
「その頃のライヴは女の子が多くて、"なんで男が増えねえんだよ、ロックやってんだよ" っていうのもあった。それで『Perfect Morning Call』(99年)は男っぽい、 ライヴを前提としたアルバムになったんですね。でも、『JET LAG』でああいうものをやったのに 何で今度はこうなの?っていうのはあったと思う、まわりから見たら」(井田)
「メジャーで売上が伸びなかった理由はそこらへんにありますね(苦笑)。 やってることがコロコロ変わると、聴く人は何だかわからないから。 まあ好きなことをやったんだからいいかなって、後悔はしてないですよ」(八十嶋)
八十嶋いわく「リストラされたおじさんたちの気持ちがよくわかった(笑)」という00年のこの時期、 実は彼らは6曲入りのミニアルバムを自主制作している。この「幻の作品」は大きな成果には結びつかなかったが、 そこから次へのヒントが生まれたという意味では、重要なステップだったと言えるだろう。
「すごいラウドで歌詞もほとんど英語で、コアな感じの音で。ライブハウスで何回か売ったんだけど… やめたね(苦笑)」(八十嶋)
「そこで話し合ったんだよね。"これじゃ、ペンギンじゃないんじゃないの?"って。 で、やっぱりペンギンの良さはメロディでしょ、っていうことになった」(井田)
こうして00年の秋、以前のインディー時代から彼らをよく知るエンジニアのIWATA氏のアドバイスを得て 新作への準備を始めた3人だったが、当初の作業は難航。しかし、ペンギンノイズというバンドの潜在能力を 目覚めさせるきっかけが訪れた時、状況は一気にポジティヴな方向へ動き始めることになる。
「きっかけになったのは…昔作った曲を引っ張り出してきたんですよね、『HEY!Spidy』とか。それと、 今回のレコーディングのために作ってた曲と聴き比べて、どっちが俺らをうまく表現してるかっていったら、 『HEY!Spidy』のほうだったんですよ。それで、インディーズで最初に出した『トモダチ』(96年) も何年振りかに聴いてみて…これがペンギンノイズだ、と。やっと客観的に聴けるようになって、 そしたら徐々にいい曲が書けるようになった」(八十嶋)
「それで1曲できるたびに井田ちゃんが、"いいよー、やっぱいいよー" ってかみしめるように言ってたよね」(舎川)
「曲も歌い方も、"やっぱりこれなんだな" っていうのがすごくあったな。 これがペンギンノイズなんだ、って。それはもう『トモダチ』で確立してたものなんだなって」(井田)
正直に言うと「バンドをやめようという迷いは何回もあった」 (井田)というシリアスな時期を脱して、 01年に入ってから本格的なレコーディングに突入。徐々にアルバムの全体像が完成してゆく。
「曲を作ってるうちに、共通点みたいなものが見えてきたんですよ。 歌詞でいうと二種類に分けられるんですよね。今の現状を歌ったものと、失恋の曲と。メロディは、 BEATLESっぽいっていうか、ちょっと昔の60年代的なメロディだったりするかな。で、アレンジのテイストは、 FLAMING LIPSっぽいアンニュイな感じで。そういうものをコンセプトにしたらいいアルバムができるかな、 って思ったら、そのあとは速かった」(八十嶋)
「レコーディング中は、何も考えられなかった。この1年、"ペンギンを続ける/続けない" っていうのがずっと頭にあって、それでもやってるっていう時期だったから。終わってみて、 できたものを聴いた感想しか覚えてないです。"いいものができた"って」(井田)
「日々のはけ口っていう感じで、そういう気持ちに素直に叩いたら、スムーズにできたんですよ。 とにかく八十嶋のメロディを生かして、ツボを生かした感じで、まっとうなプレイをしようと」(舎川)
こうして文字にするとわずかな行数だが、その間に彼らが生きてきた時間の濃さは、 とても簡単にまとめられるものではない。それはたとえば、「When you smile」 の泣きたくなるほど美しいメロディの中に、「presents」の緻密で豊かなイメージに満ちたマジカルな音の中に、 「When it's raining」の幾通りにも解釈できる意味深い歌詞の中に、リスナーそれぞれが感じ取るものだろう。 ペンギンノイズはちゃんと生きていて、「今」でしかありえないリアルなメッセージを伝えてきてくれている。 音楽の力をまっすぐに信じたこの美しい作品に、これ以上付け加える言葉は何もない。
「長らくお待たせしました、って感じなんですけど。今までの僕らのことは、 忘れても覚えててもどっちでもかまわないから、ここが僕らのイリグチです、って感じかな。 今まで聴いてた人も、新しく聴く人も、ここから入ってきてほしいなと思ってます」(八十嶋)
ライター宮本英夫
OFFICIAL WEB SITE:http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Keyboard/5948/pn.html