neuma(ねうま)





[KRUK―1001]
\2,625(税込)
kazemachi records
2003.09.10 out

(全10曲収録予定)
松本隆プロデュースレーベル“風待レコード”始動
■サウンドは静かだが、佇まいは、激しい。それがneumaだ
聴覚を柔らかく刺激するかと思えば一気に異世界へ連れていかれるかのような……
neumaのライヴは彼らが持つ驚くべき多面性を見せつける。
6月17日に南青山で行われた"風待フラッグvol.3" neumaのライヴを見ながら、映画「バグダッド・カフェ」 の寂寞とした砂漠の風景であったり、小津安次郎やホウ・シャオシェンが描く風景であったりが浮かんでは消えながら、 最終的にはそのどれでもない映像が僕の瞼に残った。
アンビエントなミニマリズムのなかに美しさと逞しさを見ようとする姿勢という意味で、 neumaの音楽はそれらの映像作品に全く引けをとっていないということだ。
“いつか”で顕著な、静かな曲調の背後で蠢くベースとドラムの激しいアンサンブルは トータスのそれを彷佛とさせたし、“真昼の月”でのボッサ〜ネオアコースティックの文脈を繊細に昇華した ギター・ワークにはベン・ワット(エヴリシング・バット・ザ・ガール)の影を見たし、 死の匂いを漂わせる“ねむり花”において、アコーディオンに寄り添いながら賛美歌のような輝きを放つ 柴理恵のヴォーカルにはトム・ヨーク(レディオヘッド)を幻視せずにいられない。
neumaの魅力である静と動のドラスティックなサウンド・コントラストは、『窓』を聴いてもしっかりと伝わるが、 ライヴにおいてそれはより物語性を帯びて立体的かつアグレッシヴに表象する。
サウンドは静かだが、佇まいは、激しい。それがneumaだ。その姿はとても美しい。
(bounce.com 内田暁男)
松本隆プロデュースレーベル“風待レコード”始動
■「風待レコード」とは、作詞家/音楽プロデューサーの松本隆が立ち上げたインディ・レーベルです。
これまで松本は数多くのヒット曲の作詞を手がけてきましたが、 そのデビューは1970年、 日本初のインディーズ、URC(アンダーグラウンド・レコード・クラブ)から。
日本語のロックを初めて確立したはっぴいえんどのドラマー兼作詞担当として、でした。
70年代の半ば、活動のフィールドをロックから歌謡界へ移したものの、作曲や編曲、演奏に彼が信頼する仲間たち ――ロック/ニュー・ミュージックのアーティストを巻き込むなど、 メジャーとインディペンデントを繋ぐ行為を自然と務めてきました。
90年代の後半から松本隆は「風待茶房」という名のホームページをスタート。
パリのカフェ・フロール、あるいは渋谷のブラックホークなど、かつて才能のサロンとして機能していたカフェを ネット上に構築することを目指しました。
2001年、不況の下、売り上げ重視が加速するレコード業界に対して思うところがあった松本は、 ヴァーチャルなカフェの運営以外に、現場に飛び出すことを決意しました。それが「風待レコード」です。
まず、昨年の初夏から秋にかけてオーディションを行い、寄せられた多くのMDやCD-Rを聴き込み、 少なくない共感するアーティストたちと出会いました。その後、スタッフと共に彼らが演奏するライブハウスやバーに 足を運び、キャプテンストライダム、neuma、ノラオンナ―― この3組の新しい才能と一緒に音楽シーンに風を起こすことを誓いました。音楽性の振れ幅は大きいけれど、 芯の部分で松本隆とリンクする若者たちばかりです。
今後、すでに活動しているインディ・レーベルとのWネームや、「風待レコード」がシンパシーを抱く インディ・レーベル群のコンピレーションなども計画しています。
これからの「風待レコード」の動きにご注目ください。
風待レコードオフィシャルサイト :http://www.kazemachi.com/