サキノハカ
PROFILE
2002年初頭Gt/Vo鈴木、Dr山口を中心にGt日高、Ba赤澤(現カリフォルニアガール)と4ピースバンドとして結成。
2003年初頭、日高赤澤の脱退に伴いバンド結成時に2回だけスタジオに入りバックれたBa中島を招集。 現在のラインナップとなる。(それって中島はオリジナルメンバーって事なのかどうか定かではない)
その後3月『朱の空/ティアラ』、8月『藍の空/陽炎』12月『17/白夜』と続けて3枚のCD-Rを ライブ会場販売のみでリリースし既に完売。
2004年5月末ミニアルバムのレコーディングに入り、 驚くべき早さで7月21日1st minialbum『山査子』をリリースする。
現在は渋谷・下北沢を中心に半径400,000km圏内で活動する3ピース文系ロックバンド。
音楽的に幾分明るくなってきたもののそれでもまだヒネクレたまま。
MEMBER
鈴木寛之(Gt/Vo)、中島 貢(Ba)、山口智久(Dr)
山査子



[BELR-001]
\1,575(税込)
bell records
2004.07.21 out

収録曲
01. 赤いキャンディ
02. 白夜
03. 水の中の小さな太陽
04. 朱の空
05. 17
06. 斜陽
*タワーレコード&ハイラインレコーズ限定アイテム

夜明け前の、少し息苦しい空気の中でギターがうねっている。そんな感じがする。
ロック・バンドを形容するのに“思春期”とか“衝動”とかの言葉を使ってしまうと、 いかにも簡単な言い回しのように感じてしまう。けれど、ギターをかきむしって、 声を枯らして叫ぶロック・バンドからいつも感じてきたのは、そういう行き場所のないエネルギーだ。 ふつふつと足元から立ち上ってくるような熱さと、走り出したらつんのめってしまいそうなもどかしさ。 このサキノハカも、少し不器用だけれど、そんなギター・ロックのど真ん中を撃ち抜く音を鳴らしている。 そして、ギター・ベース・ドラムのシンプルな3ピースだからこそ、その熱はダイレクトに伝わってくる。
「簡単なスリーコードでいいんだ」「僕の中に息づく絶望を この手で引きちぎる」(“17”) ――夢想の詞世界の中で、ぽろっと零れ落ちるようにそんな言葉を叫ぶG&Vo:の鈴木の歌声もすごく生々しくて、 ぞくっとする。
 2002年結成、下北沢や渋谷でライヴ活動を続けてきたサキノハカ(ちなみにバンドの公式HPによると 「ブラジル・サンディエゴを中心とした半径400,000km圏内、特に渋谷・下北沢で活動する3ピース・文系ロックバンド。 なお、その活動範囲は月軌道上にまで達するが、月面へはいまだ未踏である」――とのこと)。
初めてのリリースとなるのが、この6曲入りCD『山査子』。
UKロックの繊細で叙情的なメロディやUSオルタナティヴのささくれた ディストーション・サウンドへの憧憬を持ちながら、それでもブランキーやミッシェルや くるりやピロウズ等々ロックに対して「誠実」であり続ける日本のロック・バンドの先人たちへのリスペクトが 根っ子の所にがっしりと息づいている――貫かれているのはそんなサウンドだ。突飛さや飛び道具はないけれど、 無骨なまでに真摯にロックを鳴らしている。刹那への愛おしさともどかしさを歌う歌詞にも、 そんな匂いが色濃く刻まれている。
 宮沢賢治の書いた『サキノハカといふ黒い花といっしょに』という詩がある。 それは狂おしいほどの情熱を綴った詩で、すごく、このバンドの鳴らす音に近い気がした。(柴 那典)
OFFICIAL HP : www.sknhk.com