CLUB Queがオープンして

 :二位さんがQueで働き出してからは?

増子:それは驚いたからね! 新しくできたQueで店長やるんだって言われてさ。前が前の場所だった

   し。すごく立派なところだから、屋根裏が汚かったから、こんな綺麗なところで大丈夫なのか

   なと思って (笑) キャパも前より広いしさ (笑)

二位:そうね~ (笑) 屋根裏からしたら3倍くらいあるように見えるからね。

増子:音響面でもしっかりしてるしさ。前の人脈でバンドが集まる場所には合わなそうな洒落た感じ

   があったからね。大丈夫かと思ったけど、結局何も変わっていなかったっていう。すばらしい

   感じだったね。ハードウェアが変わっても、ソフトウェアは変わっていなかったよ。出てるヤ

   ツらはみんな一緒だったもん。

二位:そうなんだよね~ (笑)

増子:我々としては、ちょっと大きくなって綺麗なところ

   でしっかり音を出せて。

二位:そうね。いい音出せて、楽屋が少し広くなって (笑)

増子:それは嬉しかったね~。これは毎月ライブ演りたい

   なって。

二位:タイミングとしてはすごく良かったのかもね。

増子:そうだね。

二位:みんなが成長して、1年、2年、3年と屋根裏で演ってきて、少し大きいところでライブを演っ

   てみたいなって頃だったしね。

増子:そうそう。でもそんなに客が入るわけじゃなかったけど。

二位:まあね。

増子:うん。だけどいい音がしてた。観に来た人はまた次も来ようと思えるじゃない。でも、Queは

   本当にすごいよね。なんかこう、企業としてはあんまり上手くないんだろうけど、商売じみた

   感じがしない。音楽というか、良いバンドを出したいっていう、ちゃんと自分の基準があって

   さ。やれブッキングにしても、その物差しがはっきりしてるところがやっぱり理想的だよね。

   それがしっかりある。Queに出たいけど、あそこは出れないだろうとかさ。その尊重のさじ加

   減のひとつっていうさ。それが箱の面白さっていうか。それでその箱に入り浸るとかね。だか

   ら面白かったね。

二位:それは嬉しいコメント…。

増子:だからブッキングでやった時に、意外というか、俺たちがどうなんだろうと思うものでも、

   やってみようよ、やろうよってなって、実際やってみるとそれがうまくハマったり、色んなふ

   うに繋がっていったね。

二位:そうだね。氣志團もそうだったね。怒髪天と気志團とアナラーズでやった。

増子:あれは本当に面白かった。

二位:まったく知らないバンドで隙間を埋めるとか、そういうのとは違って気持ちがあるブッキング

   したい。次につながるもの残したいから。

増子:そうだね。それが本来のライブハウスに出るバンドにとってのメリットだったりするしさ。

二位:多分ね。色々いって情報を小出しにしたり変なタイトルつけると、バンドの人が勝手にモチ

   ベーションを上げてくれる事が有るの。それで対バンする前に相手のことを意識して調べると

   かね。相手がちょっと分かってくると「より面白い事しようとか、やっつけようとか」とかに

   なると思うんだけど、全然予備知識もないと、楽しさに気が付かなかったり、メシ食いに行っ

   たりするじゃない。

増子:自分たちのバンドをしっかり観てる人に、こことやると絶対合うよとか言われるとね。そう思

   うじゃない。どこかのイベンターとかが仕事で集めたものではないからさ。だから面白かったね。

二位:人肌感あるっていうかね。

増子:例えば同じ世代のやつらが出ててさ。今でもそうだけど一緒に演るじゃない。そうなると「ア

   イツらより俺らのほうが絶対にいい! なんでアイツら客入るんだ!」とか、そういうことにな

   るんだよ。「畜生負けねえぞ!」 って。

二位:嬉しかったり、悔しかったりがいいバランスだったんだよね。

増子:そう! お互い切磋琢磨してさ。それによってバンドが成長していくんだよね。

二位:だからか俺の周りは、比較的笑い声ばかりだった気がするよ。

増子:楽しかったもんね。今だに楽しいけどさ。それがずっと続いてる感じだから。

二位:たまには喧嘩もあったりしたけどね  (笑)。それ以上に楽しい事が多かった。

増子:まぁ、そんなのバンドをやっていたらケンカもあるでしょ。

二位:笑ってると、面白い人が寄ってきてさらに楽しくなるからね。

 :二位さんはそういうところを意図的に考えて?

二位:いや、意図的かは分からないけど、いつの間にかそう思ってる。ブッキングは、なんとなくの

   勘と遊び心かな。計画的にどうこうじゃなくて、パッとこの人とこの人は会わせたいと思ったり。

増子:俺らのことをちゃんと見てくれている信頼感があるからね。それが合うって言ってくれてるん

   だから絶対楽しいだろうなって。

二位:ミュージシャンが詞を書いて、この詞だったらこの曲が合うみたいなことを本能的に思ったり

   するわけじゃない。そういうのが俺は人なのかな。

   多分、音楽ジャンルってところだけじゃないな。

増子:人間性が出るよね。

 :屋根裏から今に至っても二位さんのそこはブレてないってことですね。

増子:そうだね。

二位:音楽をコード進行で考えると山ほど同じものが出てくるから、そこで測ると同じ音楽だけど、

   違う人が歌ったり演奏すると違うじゃない。当たり前だけど。

増子:二位さんがやってきたことが正しかったか、間違っていたかどうかは分からないけど、言って

   いることの判断基準が正しい、正しくないは二の次。一緒にやって楽しいか楽しくないかと思

   うだけだから。メリット、デメリットだけじゃないんだよね。今の若い世代がどうやってるか

   は分からないけど、当時はもうバンドブームがちょうど終わった直後で、何て言うかバンドに

   変な上昇志向とかさ、欲があんまりなかったと思うんだよね。

二位:そうだね。

増子:「いつかどうにかなったらいいかな」っていうくらいで。それよりも毎月ライブやることが楽

   しいし、その日に客を埋めることの方が重要だったような気がするんだよね。

   いい曲作って、切磋琢磨するっていうか。

二位:何千人集めたいっていうより、今ここで目立ちたいっていう感じが強かったしね。

増子:対バンに負けねえぞっていうね、そんなもんだよね。

 

Copyright © CLUB Que SHIMOKITAZAWA All rights reserved