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Live Report ライブレポート 2000

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2000.3.23
"ローリング・タッチダウンツアー3"
pre-school

初期のCLUB Queの勢いというイメージの中にクッキリと焼き付いているのが、pre-school。当時20歳そこそこながら、バンドをやることへの執念みたいなものを、表面上のキャラクターとはまったく別の次元で、強烈に感じていた。そして時間は過ぎて、もはや押しも押されぬライヴ・バンドとなり、各媒体で話題を振り撒く彼らの、実に723日振りのQueでのライヴ。バンドのテンションももちろんだけど、店として、空間として否応なしにボルテージが上がっていく。当然レギュラー・バンド……的な空気でやってた頃とは雲泥の差のパフォーマンスを見せつけられるのだが、不思議と遠くへ行ったとか、スーパースター的な雰囲気はなく、逆によりパンキッシュにアグレッシヴに繰り広げられていくライヴが、激しく転がるガキども達との間にスポーティーな親密感を与えてくれて、それが古くも新しくもなく「今と生」を感じさせてくれる。熱気が水蒸気となって揺れるミラーボールから滴り落ち、その水滴を避けるために生放送用のTVカメラに巻かれたビニールが、激情の空間におかれたオブジェのようでもあった。当然空気中の酸素の量は、通常の半分くらいに思えるほど薄く、さらに役目を全うし切れないエアコンがまるで熱気を吐いている様に錯覚してしまうほど。Queの平均的なライヴからしたらグッと短い約1時間半のステージの中に凝縮された時間は、俗世間とは異質なものであるけど、実に現実的な時間だったし、苦しく危険な状態のはずなのに、心地よく開放されていく感じは、運良く約25%の確立でチケットを手に入れることのできた人たちだけの、変えようのない貴重な体験だったはず。ライヴの後の朝5時まで続いた打ち上げは僕らだけの特権だけどね……。
(撮影/鈴木恵、文/二位徳裕)
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