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Live Report ライブレポート 2001

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2001.12.17
"GUITAR BATTLE~VALE TUDO GUITAR 1~"
藤沼伸一
guest>藤井一彦(THE GROOVERS)/三代目魚武濱田成夫
DJ>HIDE
VJ>ナリオ


藤沼伸一+藤井一彦

藤沼伸一+藤井一彦+三代目魚武濱田成夫
個人的な好みをここで披露するのも申し訳ないが、ex.スライダースの蘭丸と藤沼伸一のギターは、観る度にそそられる。熱心なファンからすれば彼のサウンドの真髄を理解してもいない自分だが、そのブルージーなカッティングさえあれば、歌なんて必要ないと思うこともしばしばだ。屈指のギター・プレイヤーとして活躍する彼が今回用意したステージは、その名も“GUITAR BATTLE”。藤井一彦とDJ HIDEを従え、ツイン・ギター+ターンテーブルという構成でヒップホップからブルースにボブ・マーリィのカヴァーまでを自在に操る。「今日は特殊なライヴにようこそ」と藤沼が冒頭で語ったが、ベースレス・トリオながら音の豪快さは圧巻。HIDEとふたりのみのコラボレーションになり、ステージ中央に設えられたスクリーンに映像が映し出される。藤沼自身が監督したというその作品は彼の奏でる哀調を帯びたギター音と相まって、観ている者に日本人であるという意識を、覚悟を、責任を突きつけてくるかのような鋭いものだった。時に、抉られる思いのする画面、そして音……。息を詰め、固唾を飲んで、その迫力ある世界に囚われの身となっていた。張りつめた緊迫感、その空間。しばし呆然としていた後、三代目魚武濱田成夫がステージに登場。「荒城の月」を朗々と、「舟歌」を男の側から艶やかに歌い上げ、最後はDRUM&BASSのようなイントロで始まった3人の演奏をバックに、用意してきた彼の詩の本を朗読しながら、次々と客席に放り投げていく。独特な彼の詩の世界は、それを読み上げることで更に独特なものになる。間違ってもポエトリー・リーディングというものではない、もっと無骨な、生の声。それを望み期待する観客からの声に答えながら、無頼な男たちの夜は更けていった。
(撮影/鈴木恵、文/松屋恭子)
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