2003.6.27
メロディがありリズムがありグルーヴがある。そしてその中で凛としているのが“歌”というものの存在であるとおいらは思う。歌が凛としていればしているほど、私たちはわかりやすくその音楽の虜となる。そういう意味で、歌というのはひじょうに強烈で重要で、直接的な手段だと思う。前日に行なわれた大盛況のワンマンから一転、PEALOUTのボーカリスト、コンドウトモヒロと、コンドウトモヒロが共演したいボーカリストとして名前を挙げたというTHE PRIVATESの延原達治、小山卓治という3アーティストの共演は、そういった“歌”の重要さを再確認させてくれた。珍しくイスが並べられてゆったりとしたCLUB Queの店内は、アーティストによって温度は変わるものの、なぜだか妙に居心地よく感じられた。彼らひとりひとりのオリジナリティと呼ぶべきものが次々と吐き出されていき、観客はその空気に身を傾け居心地が良さそうにステージを見つめていた。今この瞬間を楽しみ抜き、会場をアコースティックらしからぬハッピーな空間に変えた延原達治、歌以前に“声”のもつパワーを感じさせてくれた小山卓治の強烈な歌、そして淡々と綴られていくコンドウトモヒロの平常。異なる空気が少しずつ混ざり合って溶け合ってまろやかになっていったのが、この日のライブだった。歌は歌だけになると、バンドとは違うオリジナリティがある。そして混ざり合った空気は新しい空気を作り、歌は妙に現実味を帯びて私たちの心に届いた。コンドウトモヒロがなぜワンマン直後にひとりでこのステージに立ったのか、おぼろげではあるがわかる気がした。きっとそういうことなのだ。"OUT THE BLUE ~NOW HERE MEN~" コンドウトモヒロ(PEALOUT)/小山卓治/延原達治(THE PRIVATES)
(撮影/中尾志穂、文/平川 友紀) ※CLUB Que WEBSITEすべてのコンテンツに使用されている画像の無断転載は禁止です。
|
||||