2003.7.19
“色彩”は“いろをいろどる”と書く。原色、淡色、蛍光色……数えきれないほどの色が表情豊かに息づく時、それが“彩り”と呼ばれるものなのだろう。“RETURN TO NATURAL CLUB Que 夏ノ陣~2003 VS SERIES~”初日のこの日を“彩って”いたのはまさにそんな、NORTHERN BRIGHTとTIMESLIP-RENDEZVOUSの色彩の産物だったように思う。緑と青が混ざり合ったNORTHERN BRIGHTのライヴは、優しさ穏やかさをもって始まり、聴き手を徐々に空に引っ張り上げた。大地の存在を感じながら空を漂う感覚は、山があり谷がある大地を平坦に見せる程の色のイメージを形成していた。一方のTIMESLIP-RENDEZVOUSは、ライヴという限られた時間を目一杯楽しみ、柔らかくも力強い色を生み出していた。自然光や赤の暖かさが、温もりと同時に影を作って情熱を映し出す。音楽が生み出す色、言葉が生み出す意味、笑顔が作り出す繋がりの力……それらのすべてが空間をひとつに繋いでいた。思わず目頭が熱くなった。観客もまとめて音楽の原点に返ったような、そんなライヴだったのだ。それぞれが異なる色合いを観せながらも共通していたのは、1本の芯とそこでめまぐるしく変化を見せる色彩だった。同じ物は2度と現れない、空を駆け抜ける色彩の産物。例えるなら、オーロラの美しさとはきっとこういう物なのではないだろうか。"RETURN TO NATURAL 2003 CLUB Que 夏ノ陣" "2003 VS SERIES" NORTHERN BRIGHT vs TIMESLIP-RENDEZVOUS
(撮影/沢里明、文/平川 友紀) ※CLUB Que WEBSITEすべてのコンテンツに使用されている画像の無断転載は禁止です。
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