2003.7.25
誕生日プレゼントでも懐かしい人からの手紙でも芸術家の渾身の作品でも、気持ちのこもっているものというのはそれだけで特別な感じがする。それは音楽でもきっと同じで、気持ちのこもった歌はやはりひしひしと伝わってくる何かがある。“~VS SERIES~”7日目。Crash in Antwarpとthe blondie plastic wagonの2マンは、そういった気持ちのひしめきあいだったように思う。熱さを地でいっていたCrash in Antwarpは、その熱さでもって聴き手に訴えかける怒涛のステージを繰り広げた。歌に演奏が絡み、熱さとは裏腹のひたむきさでメンバーの表情は絶えず真剣だった。そのせいだろうか、何度も“ああ、バンドってこういうものだよな”と思わせられた瞬間があった。the blondie plastic wagonは自分たちのロックの形を現在進行形で観せてくれた。透き通るような静けさと歌声に攻撃的なステージ。演奏する彼らから涌き出る叙情的なオーラは、その場の風景を一変させるほどの内面の存在を感じさせた。特に後半は、構築された彼らの世界に完全に飲み込まれた。気持ちのこもった音楽は胸を打つ。the blondie plastic wagonのボーカル篠原氏が後半のMCでこんな事を言っていた。“音楽って言うのは、誰かに伝えたいからやるんだよ”。その言葉の意味が、この日の音楽を通して確かに伝わってきた気がした。"RETURN TO NATURAL 2003 CLUB Que 夏ノ陣" "2003 VS SERIES" the blondie plastic wagon vs Crash in Antwarp
(撮影/鈴木恵、文/平川 友紀) ※CLUB Que WEBSITEすべてのコンテンツに使用されている画像の無断転載は禁止です。
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