2003.12.7
朝市、日の出、入場行進、いらっしゃいませの声……。始まりとは活気に満ち溢れ、それがおもむろに爆発する瞬間を指すのかもしれない。GRiPワンマンに漲っていたのはそんな始まりの活気だった。ステージ後方には“GRiP”と大きく描かれた旗が掲げられ、メンバーが登場すると活気はますます膨らみを増していった。そしてライヴでは、それを上回る高揚をおいらたちにお見舞いしたのである。1発目からスリーピースとは思えない音圧にぶっ倒され、続けざまにあらゆる角度からのロックでたたみかけられる。一聴するとギターロックではあるが、さまざまな音楽を吸収し、それが型にとらわれることなく発揮された音楽群は、もう、聴き手に息つく暇を与えないほど魅力的だった。ボクシングだったらとっくにKOされてるところである。ハイテンションなベース、感情そのままのドラム、絶対的で不動なギターとじわじわと伝わってくる歌の中の“何か”。“いい音楽は伝わる。伝わっていくなぁ”というのを、おいらはステージを見ながら改めて思わされた。なんだかよくわからないけどとにかく伝わってくるものがある不思議さは、いいライヴほどあると思う。水面に跳ね返る光のようなロックの乱反射と、立ち居振る舞いのりりしさが最後の最後まで印象的だった。そして、客電がついても鳴り止まない2度目のアンコールは、どこまでも終わらない始まりのような気がしてならなかった。"「still」TOUR 2003 FINAL AND GO" GRiP (撮影/鈴木恵、文/平川友紀) ※CLUB Que WEBSITEすべてのコンテンツに使用されている画像の無断転載は禁止です。
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