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Live Report ライブレポート 2004

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2004.5.21
"椿屋四重奏『深紅なる肖像』発売記念ワンマンショー ~第一夜:「くれない心中」~"
椿屋四重奏



アルバム『深紅なる肖像』発売記念ワンマンショーは2日間ともにチケットがソールドアウト。場内は、この日を待ちわびた人達と期待でパンパンに膨れ上がっていた。そんな中、ステージに登場した椿屋四重奏の表情は、以外にも東京初ワンマンということで、やや緊張気味? 最初こそ堅さが見られたが、アルバムと同じ流れで『ぬけがら』『終列車』『成れの果て』と3曲が終わるころには、すっかり彼らのペースになっていた。熱をもって、じわっと身体に染み込んでくる、中田裕二のヴォーカル。それと真逆を行く、氷のような切れを持つ永田貴樹のベース。さえ渡る小寺良太のドラミング。すべてが絡まって、結び目のできた糸みたいに、真っ直ぐには通してもらえない、一度入ったら抜け出せない。そんな世界が作り上げられていった。重厚なバンドサウンドから一転、「特別な一夜にしたいから」と始まったアコギ1本の弾き語り。アマチュア時代の曲、未発表曲の披露と、ワンマンならではの趣向に拍手喝采。濃密な空気の中で、ふっと一息つけた時間だった。ベースとドラムが戻ってからは、演者紹介を経て、即座にもとの流れへ。激しい音で洗脳したかと思えば、聞かせる歌で胸を刺してくる。「少しかわいらしい曲を」と言って『小春日和』が始まると、フロアから「わぁ」という感嘆のため息と拍手がわき起こった。すでに、ファンの心に残る名曲になっているに違いない。本編最後は、これまた椿屋四重奏の代表曲となりそうな『嵐が丘』だ。この日の演舞は終わってしまうが、次への幕開けを感じさせる、そんな曲だった。アンコールの後、3人揃って挨拶をする彼らには、涙と雨ではなく、大きな拍手と笑顔の祝福が送られていた。
(撮影/岩井瑞香、文/輪千望美)
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