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Live Report ライブレポート 2004

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2004.8.29
ザ・カスタネッツ




ザ・カスタネッツがワンマンをやるのは、なんと「2年ぶりくらい」(小宮山氏MCより)。この日のワンマンは、イヴェントの時とはまた違った、ザ・カスタネッツの本質がすごく見えたライヴだった。私は彼らが奏でる音楽を勝手に、"熟成された大人のポップ"と名付けているのだが、その色が全21曲の中に十分すぎるくらい溢れていた。『忘れないからね』『クローバー』と続いたスタートは、牧野氏がステージに出てきたときに言った「まったりやっていくんで」の言葉通り。たしかにカスタネッツの曲は柔らかくてほっとできる雰囲気なものが多いが、牧野氏の歌と目に宿る光には、ただ「まったり」では終わらない力強さがある。その強さは『あどけない話』のような、気持ち良く力の抜けた曲でも変わることがないし、『夏なんです』『気分屋さん』で子供のような笑顔を見せている時も光を保ち続けている。少年と大人が同居する人、牧野元。その魅力に会場中の人が釘づけになっていた。ピアニカ、ハープ、ギターと持ち替えながら自由に、気ままに、バリエーション豊かに動き回った前半から、ギターに絞った後半へ。ライヴが加速していくのを表すように、メンバーのTシャツがどんどん汗に染まっていく。最後から2or3曲目あたりで、ギターの弦が切れたのだが、勢いを途切れさすまいと、そのままラストの『青と白の日々』まで突っ走っていった。アンコールが終わった後も誰も立ち去ろうとしない会場に現れて、忘れていた告知と力強い「ありがとう」という言葉を残してくれた牧野氏。その目はライヴ中と同じ光を放ったままだった。夏の終わりに、暑かったこの夏の集大成みたいなライヴを見た。
(撮影/岩井瑞香、文/輪千希美)
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