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Live Report ライブレポート 2005

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2005.12.10
"VENUS PETER reunion"
VENUS PETER



VENUS PETER、9年ぶりの再結成ライヴ。開演前からDJがかける曲に体を揺らせている超満員の会場を見れば、どれだけみんながこの日を楽しみにしていて、どれだけ楽しもうとしているのかが分かるというものだ。客電が落ち、ほぼ1曲分のSEが流れだす。誰も出てこないステージを亡霊でも探すように見つめていたファンの前に出てきたメンバーは、期待と緊張で膨れ上がった観客が拍子抜けするくらいの自然体。まるでずっと活動し続けてきたバンドみたいに、普通に「こんばんはVENUS PETERです」といってライヴをスタートさせた。"Painted Ocean"から"Yellow Shack"と一気に響き渡る沖野俊太郎の甘い声とバンドが発する爆音。本当に解散していたバンドなのだろうか? 「9年ぶり」といっていたけれど、そんな空白はなかったかのようなステージだ。マイクと左手に持ったコードを高く掲げて唄う沖野の姿に吸い込まれて、無意識にゆらゆらと体を揺さぶられていく感じ。"Every Planets Son"ではステージ上での動きに操られるように、腕を上げ、跳ねるフロアがあった。本物の「カリスマ」とはきっと、こういう人のことをいうのだろう。夢を見ているようなライヴはあっという間に本編が終わり、物足りない観客は当然アンコール。ホームページのアンケートでやってほしい曲第1位だった"Lemon"や、2回目には「クリスマスも近いということで…」"X'mas with 3-D Carton"も披露。最後の最後は"Fall"をきっちり決めて、出てきたときと同じようにさらっとステージから消えていった。続きが見たくなるような余韻を残して。2005年は「解散」の多い年だった。だからこそ、最後にこんな素敵な再結成が見られたのは本当に幸せなことだ。
[撮影/相川健一、文/輪千希美]
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