|
2006.11.11
“トキニ雨#6”というイヴェントタイトルに合わせるように、外は降ったりやんだりのお天気。そこに稲妻でも添えようかというギターの音が鳴る。凛として時雨企画、まずはゲストのCARRIEからスタートだ。観客を挑発するかのような稲妻ギターを鳴らしたのはアベフトシ。これを聴けただけで、アベファンは大満足だっただろう。ヴォーカルの和氣亜耶は小作りな顔立ちからは想像できないやさぐれたシャウトで驚かす。後半の方がライヴが良くなっていたのを見ると、こんなもんじゃない、まだまだこれからすごいことを見せてくれる。そんなバンドだと思った。稲妻の次は空気を切り裂くようなギターが響き、凛として時雨の登場だ。彼らがステージで繰り広げるのは、それぞれのパートが引き立てあう3ピースのシンプルさを生かしきったギターロック。分かりやすいけれど、一筋縄ではいかない微妙なズレを聞かせるサウンドが耳に残る。初めて聞くと「女性ヴォーカル?」と思うほどのTKのハイトーンヴォイスとベース345の透明な声が重なっていく。声質が似ているのか、お互いの歌が溶け合ったハーモニーは目を見張るほどきれい。凛として時雨のライヴは激しく美しい。観客を煽りたてるわけでもないのに、視線と気持ちをがっちり釘づけにしてしまった。この「もう一回観たい…、何度でも観たい!」と思わせる吸引力はただ者ではない。自主イヴェントなのに、アンコールはなかった。本編で今日を出し切った。そういうことなのだろう。"トキニ雨＃6" 凛として時雨 GUEST>CARRIE[和氣亜耶(vo)/アベフトシ(g)/清水義将(b)/山岡卓寛(dr)]
［撮影／平沼久奈、文／輪千希美］ ※CLUB Que WEBSITEすべてのコンテンツに使用されている画像の無断転載は禁止です。
|
||
