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Live Report ライブレポート 2007

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2007.1.16
"ウミネコキカク vol.2"
ウミネコサンライズ/COIL/POMERANIANS


ウミネコサンライズ

COIL

POMERANIANS
シンガーソングライター古里おさむとイラストレイターユタカサプライズを中心に結成された自称・浮遊パンクバンド、ウミネコサンライズ。今夜はユタカがアーティストディレクションを手懸けていることもあり、親交の厚い2バンドをゲストに招いたウミネコキカクの第二弾である。トップバッターは昨年リリースの「BLUE BEATにやられて」で新境地を開拓したPOMERANIANS。新曲「ブラザー」では泥臭くも力強いメッセージを全面に押し出し、お馴染み「ハナレバナレ」では相も変わらないポップな裏打ちサウンドで会場を揺らす。サポートキーボーディストとして元ガガーリン野間が加わり、一層豊かさを増したグルーヴは今後のPOMERANIANSの活動に大いなる期待を抱かせてくれた。続いてCOILがステージに登場。宅録ユニットとしてデビューし早9年目。今や轟音ギターロックバンドへと変貌を遂げたCOILだがデビュー当時からのポップセンスは健在。「ミサイル・カウンシル」や「Nowhere Land」など往年のナンバーを立て続けに披露。「Loveless」演奏中に発生した機材トラブルにより予定外のMCタイム。断水によりトイレの水を自力で流したという限りなくゆるい内容だったものの、後にこれがオーディエンスとCOILの距離を十二分に縮める要因になったとかなってないとか(どっちだ)。「かしわでぱんぱん」のコール&レスポンスと共にCOILのステージは終了。トリを飾るのは本日の主役ウミネコサンライズ。ライヴを観て、こんなに心を揺れ動かされたのは久しぶりかも知れない。ウミネコのうたは優しく、どこまでも温かい。ステージ後方には影絵が設置され、「宇宙旅行」でユタカお手製のスペースシャトル(紙製)がステージを旋回し、「夕焼け」では真っ赤な照明が会場を包み込む。そんな細かな演出も去ることながら、何より楽曲の持つ圧倒的な世界観がステージとフロアの境界線をなくし、ひとつの空間を共有させてくれたのだ。夕暮れの、楽しくもどこか物悲しい、伸び行く影を見つめながら家路を辿るようなノスタルジアな気持ちを呼び起こさせてくれたのだ。“生きるものをつなげるのさ リズムとメロディ”。そんな歌詞が身に染みて、ガラにもなくステージを観ながら少し泣いてしまった。
[撮影/鈴木恵、文/宮本貴子]
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