2007.9.14
例えばミルクがコーヒーの中でくるくると螺旋を描くように、現実と夢の世界がゆっくり溶け合っていくように浮遊するサウンドを奏でるセンシティブなバンド。それがライブを観る前の、『ベランダ』を聴いた私の、へきれきに対する勝手なイメージだったのだけれど。ライブ開始早々、我がへきれき像はガラガラと音を経てたかどうかは知らないけれど、とにかく崩れ去ったわけです。センシティブどころか、野生児の如くアフロヘアを振り乱し歌う小竹は奏でるというより音とじゃれ合っているというか、どつき合っているといった塩梅で、そのいで立ちは格闘家さながら。悩み相談を受けた友達へ向けてつくったという新曲「雪骨」や「江ノ島」「ベランダ」などなど、思い描いていたへきれき像の象徴のような曲も多々あれど、予想だにしなかった高揚感あふれるロックサウンドが次から次へと飛び出すもので驚き隠せず。本編ラスト「ベランダ」。物思いに耽る夕暮れのベランダから見えるオレンジの夕日が目に浮かぶよう。しきりに時間を気にしていたへきれきだがさすがはツアー最終日。大サービスのトリプルアンコール。「歌う曲がもうないのでお客さんに歌ってもらいます」なんて冗談かと思ったら本気だった。驚愕。そんでもってお客さんの「ベランダ」大合唱があまりに素晴らしかったんで更に吃驚。今日はもうなんだか驚いてばっかりで寿命が縮んだような気がする。最後に彼らの言葉を借りて。照れくさいけど素直に言うよ、ありがとう。"CLUB Que 13th Anniversary ~club Queen and king 13th joker~" "へきれきワンマン「目ん玉のコントラストを最大限に上げろ!」" へきれき opening act>華村灰太郎 DJ>Sleeper
[撮影/樋口知佳、文/宮本貴子] ※CLUB Que WEBSITEすべてのコンテンツに使用されている画像の無断転載は禁止です。
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