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2008.3.22
冬の余韻と春の気配が同居して何となくそわそわ、ほたる日和がツアーのラストを迎えたのはそんな日だった。旅の終わりの祝福代わりに、まずはFed MUSICがさわやかな一陣の風を吹かせる。4人のアンサンブルがクリーンに響き合い、美しいメロディが紡ぎ出されてゆく。それはとても心地よく体を揺らす。けれど、メンバーはまだまだイケるだろ？ と言わんばかりに手振りやハンドクラップを求めてくるのだから笑顔が止まらない。続くフーバーオーバーは、ポップなビートでキラキラな女心を振り撒く。ときにしっとりと、ときに早口で、嬉しさも切なさも、ころころと変わる女の子の表情そのものを体現するような楽曲。そのどれもがとびっきりキュートで魅力的だったことは、もはや言うまでもない。2バンドの祝福を受けて、いよいよトリはほたる日和。メンバー4人がステージ上で掌を合わせる姿もどこか感慨深い。決してはやらず、衒いのない言葉で届けられる歌。けれど、それとは裏腹に躍動するプレイと笑顔は、ツアーの充実感と最終日の晴れやかさを物語っていた。「心の大切な部分に響く歌を」とMCで話したとおり、バンドは何よりも歌を届けることに集中しているようだった。ラストでたくさんの感謝とともに披露された「セピアフィッシュ」。それはまるで彼らが音楽に込めた真摯な気持ちの象徴のように聴こえた。アンコールでは大団円の手拍子が鳴る。微笑ましくも温かな光景は、春の予感に満ち溢れていた。
[文/渡部俊祐、撮影/鈴木恵]
"ほたる日和カラフルツアー最終公演「蛍百景 ～第二夜～」" ほたる日和／フーバーオーバー／Fed MUSIC
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