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2009.7.13
夏ノ陣21のVSシリーズ第一弾である。先行は「近藤智洋＆ザ・バンドファミリア」が登場し『静かな世界へ』からライブがスタートした。この５人バンドが素敵だなと思うところは、もちろん近藤個人の魅力もあるが、その周りを取り巻くメンバー一人一人の存在感もかなりあると感じている。近藤のピアノ演奏による新曲『魔法』、『Your Bike Ride』など曲の随所にメンバーそれぞれの持ち味が出ているが、メンバー紹介をする『BAMBINO STEP』が特にお気に入りである。次に「西上中 vacation」が登場。今回はすべてが即興演奏で行われ、曲名が無いとのことである。演奏が終わった時は、しばらくショックで放心状態に陥った。彼らが登場するやいなや、耳を劈くような大音量と演奏に混乱させられた。一体何が行われているのだろうか、何を伝えようとしているのか、どんな風に聞けばいいのか。。。この混乱状態が2曲、3曲と続くと、頭の中が訳わからなくなった。それがある時突然、ドラムの音が自分の中に響いてきた。するとギターやベースのタイミング、彼らが次にしようとしていることなどが何となく感じられるようになり、リズムも分かってきた。そして彼らの演奏を楽しんでいる自分に気がついた。すべてが感覚でもって演奏されるから、即興演奏なのである。聞き方にルールなんてないし、音楽とはこういうものだという定義も必要ない。後半の近藤とのセッションでは、感覚と感覚の激しいぶつかり合いがあり、文字で表すのが難しいが、今まで見た事ないような世界が広がっていた。即興なだけに同じ体験をもう一度ということは不可能であるが、未知の世界に飛び込むのも面白いと感じさせられたライブだった。"CLUB Que 夏ノ陣 21 「VS シリーズ」" 近藤智洋＆ザ・バンドファミリア／ 西上中vacation［西川進／上田健司／中村達也（友情出演）］
[文/松下恵子、撮影/堀井りり] ※CLUB Que WEBSITEすべてのコンテンツに使用されている画像の無断転載は禁止です。
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