2009.7.28
一夜で三つの夏を見た。やわらかい音とVo.オザワの素朴で少年っぽさが残る声で、どことなくノスタルジックな匂いを醸し出すサンゼン。真夏から秋に変わっていく季節の流れをそのままパッケージしたようなドラマチックでセンチメンタルな音像は、内なる力強さを持っていた。紅一点Dropは、正統派ポップロック。太田朝子の胸キュンファルセットとあたたかみのあるバンドのグルーヴは、まるで渦を巻きながら溶けて行くミルクとコーヒーのよう。パワフルかつまろやかなDrop節は、遊び心全開。炸裂するドラムも爽快だ。バンド編成で登場したSIOは、爽やかなギターロックを掻き鳴らす。にっこりと手を差し伸べ、優しく手を取りエスコートする紳士のような、余裕を感じさせる安定感。手拍子や、マイクを通さず歌を紡ぎ、コールアンドレスポンスをしたりと、「会場に居る全員でひとつのものを作り上げたい」という熱い歌心がフロアと共鳴した。3BANDの織り成す三様の夏模様に酔いしれた夏ノ陣だった。"CLUB Que 夏ノ陣 21 「3BANDS シリーズ」" SIO/Drop/サンゼン
[文/沖さやこ、撮影/藤井美奈] ※CLUB Que WEBSITEすべてのコンテンツに使用されている画像の無断転載は禁止です。
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