2009.12.22
全てのバンドが女性ボーカルの3マンライヴ。アコースティック編成で登場した浜崎直子は、心の隅々にまで沁み渡る声で、どことなく切なげで優しい歌を歌い上げる。淡々としたぬくもりのある音の中に浮かぶ彼女の歌は、清く深い湖に浮かぶ1枚の葉のように、神聖なものだった。「まっすぐタフに生きて行きたい」と語る彼女の、強さと繊細さが共存するステージに息を飲む。
FREENOTEは、1枚1枚服を脱いでいくように曲ごとにバンドの色をガラリと目まぐるしく変え、少しずつ心の奥へ迫っていく。秦千香子の、幼さが残る突き抜ける声とピアノが爽快だ。【ターミナル】での空気感は自然と笑顔が生まれる心地良さに溢れていた。
ラストのKARENは相変わらず「しなやか」という言葉がよく似合う。小さく華奢な体から零れるアチコのふんわりとした歌は、楽器隊を統率するような独特な存在感を醸し出す。【Lorraine】ではギターの戸高賢史がCDとは違ったギターアプローチで聴衆を魅了。アチコと木下理樹のツインボーカルもバッチリだ。「今年最後の5人のKARENだよ」と寂しそうにアチコが語った後のアンコール【Flapper】は、KARENの2009年の締めくくりに相応しい圧倒的な一体感だった。
クリスマス目前というシチュエーションもピッタリな、なんとも華やかなラインナップ。贅沢な1日だった。"Singing Voice to Ideal Christmas" KAREN/FREENOTE/浜崎直子
[文/沖さやこ、撮影/堀井りり] ※CLUB Que WEBSITEすべてのコンテンツに使用されている画像の無断転載は禁止です。
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