2010.1.14
この日の1組目はオトナモード。「見えないものを表現するのが音楽」と語る彼らは、その言葉通り透明感のある音を紡ぎ出す。水彩画のように優しい音、美しいコーラスワークが心の奥まで飛び込んでくる。鳥になって、そよ風に身を任せて空を飛んだらこんな感覚なのだろうか。ゆっくり、ゆったり時が流れていく感覚が愛おしい。【風の谷のナウシカ】のカバーは、ナウシカの持つ大きな優しさと凛とした強さに、オトナモードの描く切なさが重なり、胸キュンだった。
ANATAKIKOUは新曲中心のセットリスト。Vo/G松浦の言動に思わずメンバーも観客も笑い出してしまう、ゆらゆら揺れる煙草の煙のようなけだるい不思議な雰囲気。で、ありつつも、無駄な音が無いシンプルな音作り。昔の曲も現在の編成に合わせたニューアレンジが施され、音の隙間を巧妙に操る一筋縄ではいかないひねくれポップに思わずニヤリ。この独特な存在感、クセになります。
そして、トリを飾るClingon。彼らの登場を今か今かと待ちわびていたフロアの期待にこたえるべく演奏された1曲目は"秋桜"。どこまでも進んでいくようなポジティヴな意識が音の隅々に漲っていた。木村ひさしの歌とサポートメンバーであるギター平泉光司(COUCH)とベース佐々木健太郎(アナログフィッシュ)のハーモニーのパワーに圧倒される。4人の思いがひとつになり、情熱が迸る。彼らの男気を全身で感じた。三者三様ポップサウンドに酔いしれる、まさしく"下北歌酔"に乾杯。"song light SP. -下北歌酔-" ANATAKIKOU/Clingon/オトナモード
[文/沖さやか、撮影/高田梓] ※CLUB Que WEBSITEすべてのコンテンツに使用されている画像の無断転載は禁止です。
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