2010.5.10
今年、結成10周年記念として毎月10日にマンスリーライヴを開催中のつばき。この日もフロアの期待は高く、開演前からステージへの熱視線が尋常ではない。先攻は長澤知之。どうやら彼は本番前に階段で足を踏み外し、足首を痛めてしまったらしい。だが疾走感のある楽曲で畳み掛け、足の負傷など感じさせない圧倒的なステージを展開。つんのめるように全力疾走していくような焦燥感溢れるギターの音色が、耳と心を劈いていく。後半ではスローな楽曲を披露。懐かしさの漂うメロディーと、全身で発せられる彼の声が紡ぐ言葉の描く情景のスケール感に取り込まれてしまった。主役である後攻つばき。プリズムのような鮮やかな音色の上を、一色のヴォーカルが道標を作る様にまっすぐと伸びていく。心に芽生える素朴な感情をここまで美しく表現出来るアーティストは数少ない。アンコールで演奏された"君がいなければ"は、悲しみを乗り越えた先に生まれた笑顔が溢れる、あたたかく優しい空間だった。"つばき 10th Anniversary 「正夢になった夜」vol.5 ~VS編~" つばき/長澤知之
[文/沖さやこ、撮影/多田優美子] ※CLUB Que WEBSITEすべてのコンテンツに使用されている画像の無断転載は禁止です。
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