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Live Report ライブレポート 2012



2012.12.8
"八十八ヶ所巡礼 2デイズ ワンマン"
八十八ヶ所巡礼 -oneman-
八十八ヶ所巡礼の2daysワンマンは、両日共にソールドアウト。1日目も2日目もまったく同じセットリスト、おまけにそれもキレキレの楽曲の応酬という攻勢的な姿勢は、このバンドのスタンスをよく表している。アンダーグラウンドで退廃的な空気、サイケデリックでプログレ要素が強く、ハードコアなどの要素も含む音。死の世界や地獄を痛烈に放ちつつも、生を強く感じさせる歌。隅から隅まで異端な彼らは、最後までそれを崩すことなく貫いた。3人がステージに揃うと不穏な空気が立ち込める。『88sec.』『仏滅トリシュナー』と畳み掛けると、フロアはその音に身を委ね蠢く。マーガレット廣井のしゃくり上げるような歌い方は言葉を聴き手の脳裏に焼きつけ、Katzuya Shimizuの狂気的でテクニカルなギターはその言葉を縛り付けるように頭にまとわりつく。『オノボリサン』のイントロでのギターソロで歯弾きを披露したりと、更にフロアを刺激。ひりひりとしたアンサンブルはより加速し、フロアもトランス状態へ。その空気を喰らう勢いで、バンドの音もより鋭利になってゆく。「選挙があっても悪い政治家さんたちはいなくなりません。……そんなことより親孝行しろ! 愛国心はあるか貴様ら」とフロアを煽り『君が代』を斉唱、『日本』へ。途中日本酒をラッパ飲みした廣井は、その瓶をフロアに投げ込む。何度も"愛国心を燃やせ"と繰り返す彼の声に心がざわつき、刀を突きつけられているような緊張感に身動きが取れない。アンコールでは廣井が瓶ビールを抱えて登場。『浮世デェト』を演奏すると"じゃあまた浮世でお会いしましょう"と残し、去っていった。悪酔いのような中毒性は、終演後のフロアからしばらく冷めることはなかった。
[文/沖 さやこ 撮影/大出丈仁]
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