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Live Report ライブレポート 2013



2013.7.18
"CLUB Que 夏ノ陣 2013 -RETURN TO NATURAL VS SPECIAL-"
チリヌルヲワカ vs 黒木渚
チリヌルヲワカ
チリヌルヲワカ
黒木渚
黒木渚
艶やかに闇を描く黒木渚と、パワフルに生を描くチリヌルヲワカ。7月18日、この日どちらも女性がヴォーカルを務めているが、全く正反対の熱を持ったアクトで魅せる2バンドがCLUB Queに会した。ここではこの対極的な2バンドが織り成したなんとも美しい夜を紹介しよう。 19時5分、真っ赤な照明の下にオーラを放つスラリとした女性が現れる。彼女、そして彼女が率いるこのバンドが、黒木渚である。結成2年目であるにも関わらず既に記録に残る数のCDを売り上げ、今年は大きな夏フェスにも出場を決めている彼女達が、どんなアクトをし、何がたくさんの人を魅了するのか以前から気になっていた。しかし彼女の肩にさがるギターから音が鳴った瞬間に理由ははっきりとした。この日開場とともに流れるように入場した来場者の層を見た時に、黒木渚の支持がそのヴィジュアルからなるものなのだろうと考えていた自分を、その時心底恥じた。刺すような彼女の声は熱く、冷たく、火傷に似ている。その痛みに誰もが中毒的にはまってしまうのだ。「麗しい夜にしましょう」と語った彼女は、「エスパー」や「ハサミ」などの代表曲を一曲ごとに表情・声色を七変化させ歌い上げる。細い身体を大きく揺らして「私の心臓あげるからあなたの心臓ちょうだい」と歌う彼女の叫びに、開場中の人が全力で耳を傾ける。何度彼女の魂に吸い込まれそうになったことだろう。 次に登場したのはチリヌルヲワカ。バンド・個人ともにキャリアと実力を持った彼らのステージで魅せる貫禄、グルーヴ、数え切れない程このライブハウスで演奏してきた彼らのパフォーマンスはまさに圧巻であった。いい意味で一人の女性が堂々と花道を歩く黒木渚とは面白いほど対照的に、チリヌルヲワカはバンドメンバー全員が誰よりも楽しそうに演奏し、メンバーが入れ替わり立ち代りに中央に立ち観客を巻き込む。耳を離れない旋律と中島(Vo/G)の声、そしてバンドの重みに酔いしれる。 今や彼らのライブを盛り上げるのに欠かせないキラーチューンとなった「マシーン」から、中島のヴォーカル力とバンドのセンスを見せつける「絶対値」など、ライヴは終始彼らのものとなっていた。 アンコールに応え華麗に立ち去った彼らの残した余韻はまさにその夜を麗しくしたのだった。
[文/小戸田栞 撮影/CLUB Que]
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