2013.10.17
客入れのBGMがなぜかメタル三昧の中、収まりきらないドラムがフロアにもあふれ、すでに圧倒されるステージセットが目に飛び込む。ドラム10台とギター、ベース、キーボードの13人編成のバンド、DQS。今年5月に初音源『10 Drummers vs EARTH』をリリース。初の京都遠征も成功させ、7月のワンマンは完全ソールドアウト。今回のライブは直前に合宿を敢行し、ギリギリまで磨き上げたパフォーマンスによる、今年の集大成的ライブだ。リーダー・溝渕ケンイチロウの掛け声で始まった、1曲目「Stroke」から10人のドラマーが全力疾走!お揃いの赤のツナギを全員違う着こなしをしているように、同じリズムでも、叩き方のスタイルや顔の表情に個性が出る。その10人のドラマーがストイックなまでに集中した、気迫に満ちた爆音のビートがDQSの音の塊を形作る。変拍子の多彩なリズムが一曲の中で次々に展開し、時にユニゾンで、時にポリリズムで、幾通りもの表情を見せる。7月のワンマンから構成をガラリと変え、今回のために新曲も加え、アレンジを大幅に変えた曲も。どの曲もDQSだからこそのパフォーマンスに、誇りと自信を感じさせる。途中でMCや、初めてコピーしたバンドを告白する自己紹介コーナーなどを挟んで、ライブ終盤、14人目のメンバーと呼ばれたヴォーカリスト・近藤智洋が登場。アルバムのリード曲「RESCUE」を、ドラムの間を大暴れしながら熱唱する近藤に、席替えして若手ドラマー4人をメインに据えたDQSも、ロック度の高い、熱いステージで応戦する。“てめえら、しごかれたいかー!”とリーダー溝渕が叫べば、ラストソング「The circle of the rhythms」で、ついに鬼軍曹の本領発揮!エンディングでループするリズムは延々と終わらず、もっと叩けとメンバーはひたすら煽られ、爆音マックスのドラムが巻き起こす爆風がQueの中を吹き荒れる。曲が終わると同時にドラム戦士たちが崩れ落ちるまでを見届けた客席からは、惜しみない拍手と笑顔が贈られた。来年2月にはワンマン2daysが決定しているDQS。彼らの進化は来年もっと凄いことになりそうだ!"Anniversary of 19th CLUB Que Shimokitazawa『伝承!マグマの使者とドラム魂』" DQS [10 Drummers Band] -oneman- [文/下村祥子 撮影/大出丈仁、衣川正一] ※CLUB Que WEBSITEすべてのコンテンツに使用されている画像の無断転載は禁止です。
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