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Live Report ライブレポート 2016



2016.11.30
"dipそれでも世界が続くなら"
dip/それでも世界が続くなら
dip
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それでも世界が続くなら
それでも世界が続くなら
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それでも世界が続くなら
それでも世界が続くなら
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それでも世界が続くなら
それでも世界が続くなら
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 薄暗いステージに姿を現したのは、それでも世界が続くなら。純粋な音楽を観客に届けるため、過度な照明や演出を排除したのだという。こうして濾過された音楽は、篠塚将行(Vo.Gu)が叫ぶ、いじめなどの経験に基づく歌詞の痛みを増幅させる。彼がそこまでこだわり、感情を剥き出して叫ぶのは、自分自身や、同じような思いを抱く人を闇から解放するためではないだろうか。だからこそ、彼の音楽は誠実で、私たちは心打たれるのだ。最後の曲は、そんな篠塚を「救ってくれた」ヤマジカズヒデ(Gu.Vo)に向けられた「最後の日」。サイケデリックでドライブ感のある、まさにdipの影響を感じる曲だ。曲が終わると「すみません、こんなバンドで」と弱音を吐いたが、自身を救った日本の90年代オルタナロックの遺伝子は、確実に彼らに受け継がれていた。
 そんな篠塚が憧れるヤマジ率いるdip。3ピースとは思えない凄まじい音圧で魅せるプレイは圧巻で、興奮せずにはいられない。しかし、メンバーたちは至ってクール。特にヤマジは、キレのあるギターにシャウトを交えた激しいパフォーマンスすら自然体だ。篠塚は「奇跡」の曲中で「何のために音楽をやっているかわからない」と叫んでいたが、ヤマジにとって、音楽はもはや呼吸や拍動と同じくらい当たり前のことなのだろう。アンコールも「今日はもう疲れたので、みんな早く帰りましょう」と、ドラムヘッドをフロアへ投げて終了。そんなヤマジに、それでも世界が続くならは「かっけー!」と羨望の眼差しを向けていたが、まったくその通り。憧れの大先輩との対バンは、彼らにとって非常に有意義で価値のあるものだったに違いない。
[文:齊藤幸/撮影:山中善正]
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