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Live Report ライブレポート 2017



2017.5.20
"それでも世界が続くなら 全作/全記録追想ワンマンツアー「故人的な撤退 2012-2017」
~メジャーデビュー期~"

それでも世界が続くなら
それでも世界が続くなら それでも世界が続くなら
それでも世界が続くなら それでも世界が続くなら
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 これまで発表したアルバムを3部に分け“過去との対峙”というコンセプトのもと構成された今回のワンマン。前週の大阪公演は “結成期から自主制作期”と題して行われ、東京公演1日目は“メジャーデビュー期”ということで、メジャーへ進出し環境が一変したなかで生まれた作品から選曲された。
 SEが鳴り観客の拍手でメンバーが迎えられると、やわらかな音色とともに「参加賞」から演奏が始まる。照明は足下の簡易照明のみ、MCなし。全身全霊を込めて演奏する姿は作品を発表した当時と変わらないスタイルだが、かき鳴らされる轟音は、バンドの歩みとともに強くしなやかに進化を遂げてきたいまの音だった。その鮮烈なサウンドは、音圧とともに胸の奥に潜む拭えない痛みや苦しみに沁みて、やさしく心を満たしていく。久しぶりに演奏された楽曲も多かったなかで、特筆すべきは終盤に演奏された「僕らのミュージック」だろう。本公演を行うにあたりCLUB QueのHPに掲載されたインタビュー(※)にて、詳しく語られていたが、リリースから約3年の時を経て、すすんで演奏されることのなかったこの楽曲を篠塚将行(Vo.Gu)は“それが僕らのミュージック”と、いまの言葉で力を振り絞って歌われた。ぶっ通しで繰り広げられたライヴの締めに演奏された「カイン」は、終演を知らせるチャイムのように温かくも切ないメロディに乗せ“またライヴが終わってしまう”と名残惜しそうな歌声を響かせた。
 アンコールがあることを前提にしない彼らは、常に本編で完全燃焼。この日もアンコールに応え、ノープランで再びステージに上がると、感謝の気持ちを伝えた上で、“でも、もう燃え尽きているんですよね(苦笑)。僕もう結構歌っちゃったから……(笑)”と篠塚。続けて“何か聴きたい曲、ある?”と募ると、観客からポツポツと曲名が挙がっていく。“(「スパロウ」という声に)「スパロウ」か〜。いま歌うと、嘘になっちゃう。本気で歌えないんですよね……”、とか“(「奇跡」)という声に、“だよね!”と返して、何にしようか?と考えていく。互いの立場を越えて、遊んでいるような光景が広がるなか篠塚が“さっきまでのライヴで終わったことにして、いまから発表会。打ち上げで、いいですか?”と提案し、リクエストから「2月11日」、「成長痛」、「奇跡」を演奏した。さらに“この曲と一緒に進んでくれる人がいたら嬉しいです”と、新曲「深夜学級」、「人間の屑」を披露。メンバーは、足元をフラつかせながらも清々しい表情で“ありがとう、またね!”と挨拶してステージを後にした。(文・大島あゆみ)
(※)CLUB QueのHPに掲載中の店長・後藤氏による、胸熱な全作品追想ロングインタビュー。当時の想いや今回のツアーの意気込みがみっちりと綴られているので、まだ読んでいない方は是非ご一読を!
http://www.ukproject.com/que/topics/itw/1705_soreseka/index.html

[文:大島あゆみ/撮影:栗田香那]
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