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Live Report ライブレポート 2017



2017.5.21
"それでも世界が続くなら 全作/全記録追想ワンマンツアー「故人的な撤退 2012-2017」
~事故・撤退期から現在~"

それでも世界が続くなら
それでも世界が続くなら それでも世界が続くなら
それでも世界が続くなら それでも世界が続くなら
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 全記録追想ワンマンのファイナルは、“事故・撤退期から現在”ということで、2015年にメジャー・シーンを自主リタイアすることを発表し、再び自主制作で活動を始めてからの作品で構成された。
 「聞こえない声」からライヴが始まると、やさしく語りかけるような演奏と歌声が響き渡らせ、「弱者の行進」へ。正解がないから苦しい、理不尽な出来事にがんじがらめになった想いを丁寧に歌い上げていった。そして序盤にしてCDリリースの前にMVが先行公開されていた最新曲「消える世界のイヴ」を披露。映像では汲み取りきれない魅力をからだ全体で感じられた。“大丈夫だよ”と弱さを肯定するように歌われた「晴れた日の教室」や、憂鬱をかき消すような破壊力のある新曲「アダムと林檎」と、4人は一瞬も休むことなく演奏を続けていく。いよいよライヴは終盤に差し掛かり、新曲「深夜学級」を演奏し「狐と葡萄」へと入ったところでドラムに異変が。栗原則雄(Dr)のバスドラのヘッドが突き破れるトラブルが発生し、止む無くライヴはストップ。その場で修理対応が行われ、どう進めるべきかと篠塚が会話でつなぎとめていたのだが、ふと“俺、ひとりで歌ってるね”と弾き語り形式で「死なない僕への手紙」へ。演奏の途中でバスドラの修理が完了し、ラストはバンド演奏が加わり最終的には無事にライヴを終えることができた。
 奇しくもそれが最後の曲だったのだが、アンコールに応じて4人が再びステージへ。篠塚が“僕らにできることは、一所懸命歌うことくらいで。全員が、いい日だったと思えるような音楽が作れたらと思う”と思いの丈を話した後に“今日ほどアンコールが嬉しいと思ったことないです! 僕らも悔しいし、誰より則雄が(事故による中断が)悔しいと思うんです。もう1回やりたい!”と、先ほどの事故によって飛ばされた「狐と葡萄」を披露した。メジャーを辞めてライヴハウスが遠くなる気がした、と当時の心境を明かし、関わるすべての人たちと向き合ってきたと伝えた後に、昨日も演奏した新曲「人間の屑」、そして“もう1曲、新曲をやりますね”と「かけがえ」を初披露した。やさしくありたい、バンドの本質はそのままに響かせる新しい曲はファンにとって最高のプレゼントになった。最後はリクエストに応え「最後の日」を演奏し、全作を追想する激動の3日間に幕を下ろした。
 このライヴの翌週に新作「消える世界のイヴ」が発売となり、後日7月26日に初のコンセプト・アルバム『消える世界と十日間』をリリースすることを発表。まもなくLINE LIVEにてライヴ生配信“消える世界と五十日前”を行ない、作品の全容が明らかになりつつある。ちなみに例の大破したバスドラのヘッドは、CLUB Queに半永久的に展示・保管されることとなり、4人のサイン入りで飾られているので遊びに行った際はぜひ確かめてみてほしい。

[文:大島あゆみ/撮影:栗田香那]
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