2017.8.10
"the sea falls asleep presents 『雨の日は。』"
the sea falls asleep/ノンブラリ/GOOD BYE APRIL
the sea falls asleep
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the sea falls asleep
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ノンブラリ
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ノンブラリ
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GOOD BYE APRIL
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GOOD BYE APRIL
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「ライブの日はだいたい雨。」――クドウナリヒサ(Vo.Gu)の言葉通り小雨となったthe sea falls asleepの2nd EP「before the moment's gone」レコ発ライブ。
まずはGOOD BYE APRILが登場。ノスタルジアを感じるサウンドと、倉品翔(Vo.Gu.Key)の朴訥とした歌声が心に沁みる。失恋を歌った「君がいなきゃ」では、センチメンタルな歌詞に胸がギュッと締め付けられ、バラード調の応援歌「あなたの帆に吹く風になる」では、寄り添うような優しい歌声に勇気をもらう。the sea falls asleepと出会った頃の曲「夢みるモンシロ」では、曲間に「リリースおめでとう」と歌うサプライズも。グッドミュージックと仲間を祝福する粋な演出に、会場は笑顔に包まれた。
「大げさ病が嫌い。」山本きゅーり(Vo.Key)の言葉が印象的だったノンブラリ。the sea falls asleepとは初対面だそうで、「こんな地味な私たちを……」と謙遜する。確かに、彼らの音楽は平凡な日常から紡ぎ出されたものだ。しかし、浮遊感漂うメロディに乗せて彼女が伸びやかに歌うと、その平凡な日常は過剰な脚色を加えずとも色彩を帯び、美しいサウンドスケープが広がる。その豊かな表現力は鳥肌ものだ。地味などではない。最後の「エンドロール」まで、心地よいサウンドで心を満たしてくれた。
最後は、2016年にAnyからの改名、メンバーの脱退を経験したthe sea falls asleep。女友達への色欲を歌った「普通の女の子」を筆頭に、彼らの曲は夏の雨のようにじめじめと生温かい。しかし、そこには繊細で不器用、でも心優しい男の子の体温が感じられ、とても愛おしくなる。アンコールは恋人との日常を歌った「switch」からの「film」。苦境に直面しても、それすら肯定して音楽という雨に昇華する。彼らが降らせる雨には、すべてを流し、渇いた心を潤す優しさがあった。
[文:森川幸/撮影:satsuki kato]
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