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Live Report ライブレポート 2017



2017.9.17
CLUB Que Shimokitazawa Twenty-third Anniversary [THE TOKYO 23]
"それでも世界が続くなら「消える世界と十日間」リリース記念ワンマンライブ~12日目:それでも、世界が続くなら~"

それでも世界が続くなら
それでも世界が続くなら それでも世界が続くなら
それでも世界が続くなら それでも世界が続くなら
それでも世界が続くなら それでも世界が続くなら
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 下北沢CLUB Que23周年記念期間の初日公演となる本公演はそれでも世界が続くならのワンマン。7月にリリースしたコンセプト・ドキュメントアルバム【消える世界と十日間】は全11曲を計11日の日々になぞりながら展開していくアルバムであり、今回はその幻の12日目(12曲目)を全員で見つけに行く唯一のリリース記念公演ともなっていた。
最小限の音量で鳴り響く会場BGM、開演を待つお客さんそれぞれに独特の緊張感が走っていただろう。皆一様に会話も無くじっとステージ上を見つめていた。そして定刻通りにメンバー登場。アルバムのラストソング「僕がバンドを辞めない理由」を1曲目に披露し僕らの幻の12日目にいよいよ突入したのだ。
 響かない部屋」を歌い終えるとVo.篠塚によるアドリブ即興曲が始まる。本来予定していない曲をやる事はお馴染みであるが今回もまたメンバーでさえ聞かされていない状態であるので、メンバーもまたこの瞬間初めて聴く篠塚の楽曲に聴き惚れていた印象である。そうしていつのまにか綺麗に「奇跡」へと繋がってゆく。彼らのライブはいつも衝突事故のようであり危うく怪我をしてしまいそうな気になってしまう。しかし絶対に安心で安全な気持ちも同伴する不思議なバンドだ。絶対という概念の有無について考えされられる。ステージ上の鬼気迫るメンバー一人一人の汗や叫び声や轟音を前に観客はじっと見つめ、受け止める。本来テンションが上がって手が挙がるそんなシチュエーションでも手が挙がらないのは、お客さんそれぞれもまた必死に日々を生きているかのように、真剣にライブを見逃さないよう聴き逃さないようにしているからだろう。
 本編が終了しアンコールの拍手が鳴る。自信なさげに出て来た篠塚は『皆帰らなくてもいいの?』と言った。この日は都内にも台風が直撃している日で帰りの心配をしていたのだ。しかしそんなメンバーの心配を無視するかのようにじっと動かない観客。止まない拍手。照れくさそうに『ここに居るみんな音楽が大好きだって、自信持って言っていいよ。』と述べ『拍手ってさ、あんまり自分自信に向けてする事無いよな。でも今日は自分自信に向けて拍手しようぜ。』『そう言っても中々出来るもんじゃないからさ、皆自分以外の人に向けて拍手しようぜ。全員自分以外に拍手したら皆拍手受けたって事になるから』そんな彼ら独特の愛情表現を見せ『お前らカッコいいよ』『もうヤケクソだよな』と笑いながら「正常」「就寝系」「11月10日」の3曲そしてラストにタイトル未定の新曲を披露しライブ終了。
 この日は生憎の悪天候であった。ライブを観に来る事自体が困難だった方もいたし最悪その日のうちに帰宅出来なかった方も居たかも知れない。そんな方々の為にそれでも世界が続くならが来場者特典として「魔法のチケット」を発券した。この日のライブを目撃してくれた人達に向けた最大のプレゼントである。いつかこのチケットが持っている人達にとって何かに変化するチケットである。ちなみにまだこのチケットが何に変わるかは定かではないが、きっとこの魔法は本物で、そして解けないし、効果は絶大であり必ず笑顔をプレゼントすることだろう。

[文:CLUB Que 後藤瞬/撮影:伊藤惇]
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