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Live Report ライブレポート 2017



2017.9.23
CLUB Que Shimokitazawa Twenty-third Anniversary [THE TOKYO 23]
"nano.RIPE 7th Anniversary Live「きゅーにーさん」"

nano.RIPE
nano.RIPE nano.RIPE
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  デビュー8年目を迎えた、nano.RIPEのワンマン公演。超満員のなか客電が落ちると、緊張感を誘う心拍音ときみコ(Vo.Gu)の語りが流れるなかメンバーがステージへ。少年のように無垢でパワフルなきみコの歌声が響く「15秒」から口火を切ると、鈴木"choku"直也(Ba)と菅間匠(Dr)によるリズム隊がさらなる高みへ誘うように、「ノクチルカ」へ。最高潮の盛り上がりを見せるなか“nano.RIPE、8年目になりました! まだまだこんな景色が見れるのが、僕らのリアルワールドだ!”と叫び「リアルワールド」へ。ファンはタオルを回しながら盛り上がり、序盤からカオスな光景が広がる。“何年もバンドをやってて変わらないのが、私は私のためにライヴをして私のために歌を歌っています。みんなも自分のためにライヴをしていってください。よろしくお願いします!”と、きみコ。幻想的なメロディの「絵空事」と奮い立つメッセージが込められた曲を続け、魅了していく。MCでは、メンバーが熱気の中で止むなくステージに身を乗り出すかたちになってしまった最前列に気を遣いつつ“来ているのは、野郎ばっかりでしょう? 骨の1本くらい折ってみろってんだよ(笑)”ときみコがジョークを飛ばすと、野郎たちの歓声が返ってくるわ、熱気はムンムンだ。そこから表情豊かに変化するササキジュン(Gu)のギターが軽やかに鳴り、ファンシーなメロディの「こだまことだま」、じりじりと熱っぽく奏でられるロックバラード「よすが」、アコギのやさしい音色に包まれる「日付変更線」とたっぷりと響かせた。そして「夜の太陽」から再びロックなナンバーを畳み掛け勢いを加速させるなか、メンバーは無邪気な笑顔を浮かべながら熱気を受け止めるように演奏していく。そして“破壊衝動みたいなのがあるんじゃないかな、とみんなを見て思ったんですよ。だから、ちょっと心のなかで柵を作ってください!”ときみコが、問いかけると“ぶっ壊せ柵を!”声を荒げて「サクゴエ」へ。思い思いのモッシュが起こり、フロアは激しさを増していった。次に夏を終えたいまの季節にぴったりな「面影ワープ」が演奏されると、ファンも一体となってシンガロング。一体となって盛り上がるなか、ここで事前にお知らせされていた11月にリリースの新曲「虚虚実実」を初お披露目。各パートに見せ場があり、4つ打ちのキャッチーなビートと複雑なフレーズが交錯するポップ・チューンだ。そうしてクライマックスを迎えた後、人肌のような温かみのあるやさしい音色と、きみコが叩く素朴な太鼓のリズムが心地いい「ディア」が演奏されラストへ。しっとりとアカペラ独唱から「架空線」を演奏して、締めくくられた。
 フロアから、“ナノライプ!”と掛け声が沸き起こるなかメンバーが登場。アンコールには、「虚虚実実」とともに収録される新曲「ヒーロー」をプレイ。nano.RIPEの王道をいく、鮮やかなメロディの爽快なロックで、ファンにとって嬉しいサプライズとなった。そしてデビューして7年、バンド結成から数えると来年で20年を迎えることを話し“みんなの気持ち、かけてくれた時間をムダにしたくない”と真摯に思いを語り、最後は「ハナノイロ」を演奏。観客の合唱はスピーカーの爆音が霞んでしまうほどの大ボリュームで、素晴らしいアンサンブルだった。年明けのワンマン・ツアーが発表され、来年の活動が明かになってきた彼ら。nano.RIPEのいまを体感し尽くした、熱い空間だった。

[文:大島あゆみ/撮影:伊藤 惇、前田美里]
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