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木村ひさし
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木村ひさし
    音楽に携わっていると、時々人間の人生そのものに出くわす事がある。歩んできた人生が音に滲み出ているということ。そして話すようになると、想像以上に面白いとか奇想天外な過程をすごして今に至るというミュージシャンがいる。木村もその一人。温かみと優しさに溢れた音からは想像できない荒れた少年時代をすごした(本気で保護観察付きの超自然体の少年)。その後音楽と出会い兄の影響でギターを始め、多分に漏れずラモーンズなんかのコピーから入っていくが、既に満足できなかったらしい。 その後ブルースバンドを嗜む。22歳からClingonを始めて、それから約1年後にピアノを触り始める。 多分殆どの人は、幼少時代にピアノを触った事があって、それでブルースやロックに発展していったんだろうと想像すると思うけど、彼は違った。どっかで人生の逆転スイッチが入った。それはもしかしたら山下達郎やスティービーワンダーなのかもしれないけど、たぶんそれは後付でピアノの中に潜む自分に気が付いたんだと思う。というか独学でも出来るという、逞しい想像力と強い信念で一個人としての才能以上のものを発揮している人物。 とにかく生きる力をくれる数少ない歌い手です。こんな荒んだ時代だからこそ彼のような歌が必要だと思う。カフェロック、ブルース、フォーク、ロックンロール。彼を取り巻く捕らえ方はどうでもいい。ただひたすら超を超えるオススメ印がつくことだけ。皆に聴かせたい。

    というわけで5月1日にむけての「木村ひさし」独占インタビュー始まり~

  • まず、木村君から見たメンバーとゲストの印象、特徴、得意技、困った話などを、こと細かに、できるだけたくさん書いてください。
    ドラム丸尾和正は、一番安心信頼できる男です。Clingon結成当初からの腐れ縁ですからもう15年くらい。
    ドラムを叩いている時の姿は、新種の動物を発見したかのようで何度か見ると癖になる。 結局、その癖が僕の中から抜けなかったため、もうずいぶんと一緒にいるんだと思う。 得意技は、これと言って感じたことはない。 もしかしたら得意技だとアピールするものがあるのかもしれんが、何とも響かない。笑! 困った話は、付き合いが長いので本当に困った話は言えない。 アルコール失敗談や異性的失敗談は人並みにチャレンジしてると思うし、 最近、その辺の突きやすい話題はリリースしてないようで残念。 ライブまでには、叩いておきますので・・・・・。

    ゲストの佐々木健太郎は、人間的に大好きです。
    彼の突然の電話からアナログフィッシュの鍵盤を手伝うことになって、 もう1年半くらい一緒にやってます。今回はお返ししてもらう形です。 アナログフィッシュでいつも魅せるピュアな心と力強さに何度も感動させられた。 彼の不器用な部分がなおさら真実味を帯びて、いつの間にか人の心に忍び込んでるから凄い。 なんというか、僕が目標にするものを自然に出しているような気がする。 アナログフィッシュのツアー先でホテルの部屋を閉め出された健太郎。仕方なく僕の部屋にやって来るがドロ酔いで全裸で暴れる! 嫌な上司ならこちらも暴れているが、本当は困っちゃいないんだ、健太郎の人徳だね。

    ゲスト平泉光司は、最高のギタリスト。
    今まで出会ったギタリストの中で一番好きだし、声も大好きだ。 上京する前から絶対に友達になろうとしていたし、それをしっかり実行し、もう10年くらいの付き合いだ。 お互いがバンドに誘ったけどお互いが断ったことのある何とも不思議な関係。 僕は彼としっかり向き合って音楽を作ってみたいといつも思っている。 たぶん、彼も思っているだろう。けど、2人ともなんとなくすれ違ったりするんだよ。 そんな間柄の恋愛ってのは経験したことあるけど、音楽で有り得るとはね。。。。 彼に関して、困ったことはない。本当に大切にしてる。無償の愛です。 でも一度、「ベースを弾いてくれ」と頼んだけど、逆に困らせてしまった。

  • つぎに対バンのANATAKIKOUについて、ずらっと語ってください
    ANATAKIKOUは素敵な曲を描く。美メロでありながら中毒性もある。 感情を引き付けてくれる歌詞があるのに癖になるサウンド。欲張りなバンドです。 たまに家で「リリー」を歌う。 自分の曲ではないのに少し本気になってしまう。僕にとっても良い曲なんだろう。 松浦のメールのセンスも素敵だ。 言葉の使い方が描写まみれで照れた感じが甘酸っぱい。 ラブレターのやり取りじゃないんだからと思うが、意外に嬉しかったりする。 たぶん、彼の友人は回りくどいメールを毎日受け取るんだろう。 ん?毎日はやっぱりくどいな。。。 昔、CLUB Queでイベントをやった時にANATAKIKOUを呼んだ。 Clingonのスーパーボウリングと言うイベントで、最後にステージ上で松浦とキスをしたのを覚えてる。 僕も初体験だった。何か表現したかったんだろう。 僕らはまだ若すぎて舞い上がった気持を言葉にできなかったんだ。 今はもう大人だ。キスかどうかは判断つくから大丈夫さ。

  • 次に木村君についてですが音楽に触れたのはいつからですか? 最初の楽器、最初に目指した(憧れた)音楽や人など教えてください。
    10歳の時にマイケル・ジャクソンの「Say say say」のレコードを買ってもらって、その隣で歌っているポール・マッカートニーに興味を持ってビートルズを知る。 兄貴がギターを持っていたので17歳からギターを弾き始めた。 ある出来事がきっかけで17歳でラモーンズのコピーバンドから始める。 ピアノを始めたきっかけは、23歳の頃、オルガンロックだったりアシッドジャズだったりスティービー・ワンダー来日であったり、 弾いてみたいと言う願望を後押ししてくれる音楽がいっぱいあったのでピアノを始めてみた。 一番大きな動機は、山下達郎さんの雑誌のインタビューに書いていたことが大きいかも。 うろ覚えですが、

    インタビュアー:「ピアノやギターは独学ですか?」
    山下:「はい」
    インタビュアー:「なぜ、教わらなかったのですか?」
    山下:「バッハは誰かに教わったのですか?」

    と、そんなやり取りだったと思う。 これに僕は感動した。 音楽の父と言われるバッハが誰かに教わってたらおかしいもんね。 音楽を誰からも教わってなかった僕は「これでいいんだ」と確信したんです。 で、23歳でも遅くないと思ってトライした。

  • 最初のステージは、どこで、どんな感じでした?
    高校の文化祭で、ラモーンズのコピーをしました。 学校の女子たちやツレたちは、なんだか楽しげだったが、 ラモーンズをチョイスしたことや僕らの演奏能力に若干「?」マーク だったような気がする。 幼少の頃から僕は大衆の音楽センスとは離れてたかもしれない。

  • 今の感じに落ち着いたというか、これが自分のスタイルだと決め込めたのは何歳ごろですか? そのきっかけ等を教えてください。
    ソロ活動を始めた33歳です。 いつもその都度、「これが自分だ」と思っていましたが、ソロになっていらない服を脱ぎはじめたのが自分をシンプルにさせたと思います。 なんだかんだと対外的に相対的に自分のスタイルを探して色のついた服を着ても どんどん色が濁ってゆくわけですから、それならいっそ何も着ないで裸の方が、どうしようもない個性が成り立つ、そんな気がしてます。

  • 音楽に触れる前は、どんな少年でした?(言える範囲でいいよ(笑))
    17歳でバンドをする前は、保護観察がもれなくついてました。 ホント、バカでしたね。無邪気にアナーキーな感じでしたね。 今は、無政治主義と言う意味でアナーキーですけど。笑ッ!

  • 音楽を聴いて楽しんでる人に、言いたいことをどうぞ
    音楽ってなんでこんなに楽しいんだろうね? 今の通り、音楽をとことん信じてもいいんだと思う。

  • 音楽を鳴らしはじめた人に、言いたいことをどうぞ。
    はじめたときの気持ち(初期衝動)はリアルに覚えておいた方がいいよ。 きっと「初心」が役に立つ。そして思い出す度に新鮮になれる。 今の情熱は何年経っても消えないとは限らない。 人間は惰性的になってゆくもんだ。 それに比例して音楽だけじゃなく生活も恋愛も歳をとる度に元気がなくなる。 それは老いてゆくと言うことでもあるけども、 もし、音楽を「心で鳴らす」と「魂で鳴らす」と思っているのなら反比例させなければいけない。 その時に初期衝動の気持を思い出すとすぐ情熱も思い出す。 可能性があるから頑張るんじゃなくて、可能性が無くてもとことんやれる人であってもらいたい。 自己集中!他と比べずに自分のやりたいことに正直にトライしてほしい。 ロックがどうやら、ソウルがどうやら、なんて小さなこと言わずに、 自分がとことん自分であって誰かに作られるような自分じゃない、 常に絶対的な自分を育ててほしい。
    2009/5/1(FRI)
    "木村ひさし presents 「POW!!! ~鳴らすよメーデー~ vol.2」"
    木村ひさし&THE NEW VOLCANO [木村ひさし(Vo,Gu,Pia,Or)、丸尾和正(Dr,Vo)]
    Guest>
    佐々木健太郎(Ba/アナログフィッシュ)、平泉光司(Gu/COUCH)/ANATAKIKOU


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