ライヴハウス巡礼中で丁度44ヶ所目の折り返し地点にいる、まるで異類異形バンド。ギタリストは超絶なテクニックで印象に残るカッティングとトップレベルの早弾きをかます。ドラマーは昭和の男。まさに嵐を呼ぶドラマー。そしてユニセックスなベース＆ボーカルは最細のルックスで、体中のいたるところに墨を入れている。最近前歯も欠けてしまった。まるで70年代のロックシーンから現代に転がり込んだような生粋のロックバンド。ジャンルは自ら「日本ロック」
という。結成は2006年10月8日。Zher the ZOOでのライブを切欠にCLUB
Queにも出入りするようになった。いや…そんな生易しいものではなく、殴り込まれたとか、武力介入的な圧倒的パワーでスタッフ全員を釘付けにしてしまったのだ。正直に言って今CLUB Queの主軸をなしている音楽層からすると異端である。いや日本のロックのどこから切っていっても異端だ。異端すぎる。いうなれば革命だ。だけど今最も日本を感じるという不思議なバンド。ＣＤジャケットのイラストで目を引くソラマメのような妖怪のようなキャラがあるのだが、あれは九州出身の鬼才アニメーター谷口崇先生(同名の九州出身のミュージシャンもいますが)の作品。八十八ヶ所巡礼のイメージらしい。そんな彼らがココを拠点に活動しているのは、それが本物だからっていう事以外説明のしようもないのだ。今回はBa&Voの廣井にインタビューしてみた。まずは好きなバンド、影響受けたバンドを聞いてみたら「迷います。でも意外と八十八ヶ所巡礼、悪くないです」ってやっぱり独創性のみで突っ走る人間にはルーツは無いのだろうか？と思うようで、かわいいとも思える回答。そして好きな映画は「太陽を盗んだ男、爆裂都市、仁義なき戦いシリーズ、うる星やつらビューティフルドリーマー、あまり映画は見ません…」。めちゃくちゃ昭和です。40代好みのセレクトです。八十八ヶ所結成以前の活動は、「夢・希望・現実無し、とハマチ」。ごめん…分かりません(笑)。話を音楽に戻してKatzuyaの機材を聞くと…ギターは一切の妥協をせず100年使われるギター作りを心情にしている『Freedom custom』。アンプはヘッドが『Laney GH100L』、キャビは同じく『GS412IS』を使用する。1チャンネルのシンプルなコントロールでナチュラルなチューブサウンドから歪み系まで幅広く対応できる優れもの。エフェクターはワーミーペダル『Digitech WH-4』。ワウは『MORLEY VAI-ⅠBad Hosie』。歪み系に『Xotic RC Booster』、『Fulltone OCD』。そしてマルチな『t,c,electronic NOVA SYSTEM』。かなり歪みに拘りを持ったギタリストであることが伺える。しかし確りとしたプレイの上でのエフェクトテクニックだから嫌味が無い。ある日弦が3本切れるという、後にも先にも無いトラブルに見舞われたのだけど、正直目を瞑っていたら彼のプレイに異変が起きたことには気が付かなかったかもしれない。愛媛出身で作るリズム隊は、まずドラムの賢三が寡黙に重圧なビートをドハデに、そして的確に刻む。腕っぷしの強そうなドラミングは、池畑潤二、中村達也を連想してしまう。性格はいたって温厚らしいが「彼の逸話は、あと10年後でないと喋れない内容ばかりでして…」と奥深いかい言葉を残した。そして廣井のベースプレイが尋常ではない程のハイレベル。それとあわせて華奢な体に彫りまくった書体が目を奪う。一番気に入っている文字は、『粋』。自分で親孝行だと言っているが、どう受け止めていいかは分からないです。それから「物凄く嫌いなのは？」と聞いたら、「まず酒、アルコール。憎たらしくて世の中から無くす為に、しぶしぶ連日連夜喰らってます」という芸術的に天邪鬼な回答が、彼の天才的才能を垣間見る一言になった。最後にそんな廣井からのメッセージです。「日本の発展向上の為に日夜やり続けます。８月18日発売の四枚目にして初のフルアルバムは是非とも皆様、買え! 阿呆!!! あと、夏の終わりのCLUB Queの企画も来ないと駄目ですからね」どうだろう、この分析不可能な3ピースバンド。観ずにはいられなくなったのでは？
2010/8/30(MON)
"八十八ヶ所巡礼レコ発初企画 「日本」"
八十八ケ所巡礼
東京カランコロン／LONE
opening act＞ the Valentine shop
open 18:30／start 19:00 adv \2,000／door 2,500 [1D別]
チケットぴあ[113-073]・ローソンチケット[76320]発売中！
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