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山中さわお
[Vo,Gu:山中さわお,Ba:鈴木淳,Dr:楠部真也,Gu:山倉勇太]
» http://yamanakasawao.com/indexp.html
山中さわお
    今月は2013年前半を、精力的なソロ活動で席巻する山中さわおに登場してもらった。当然the pillowsのボーカルとしてのキャリアで語られることが多い彼だが、生粋の音楽ファンでもあり、その延長上にデリシャスレーベルを築いていることも特筆すべきことだと思う。有名無名をとわず彼の周りには生々しい音楽とミュージシャンが、常にイキイキと活動している。そんな原動力はなんだろう? 3枚目のソロアルバム発売とともに全国ツアーに旅立つ前に、久し振りにインタビューさせてもらいました。


  • Que:1/14は折角のインタビュー当日だったのに、まさかの大雪で流れてしまって残念でした。雪って!
    というわけでまずは、北海道人として東京の雪はどうですか? やっぱり質感とか情緒感とか違いますか?


    山中:全然違うよ!だって濡れるじゃん!?

  • Que:わは!

    山中:北海道は気温が低過ぎて、雪は中々溶けないから、払えばサラサラ落ちるよ。濡れる暇は無い。寒過ぎる日は雪が固まらないから、雪だるまとか作れないもん。

  • Que:ひゃー雪だるまが作りづらい程、サラサラ!! むしろ北海道の冬は暑い(室内が)ってこともありますが、東京に来たばかりの頃の冬のイメージって残ってますか?

    山中:季節感が無くて違和感あったよ。クリスマスとか年末年始とか雪が積もってる景色の中で20年間暮らしてたから。そのくせ東京の冬が暖かい訳じゃないじゃん? 駅のホームとかに立ってる時寒いしさ、最初に住んだ落合のアパートは寒かったな。

  • Que:うん! そう俺らの世代まずは木造アパートだったから、そりゃ寒かった(笑)。そう言えば、あの日インタビューが出来そうにもないってなった時に渋谷にいて、そっからUターンしたら地獄の激渋滞。都会の雪は何もいいことない…でも嫌いじゃない(笑)

    山中:うーん。雪でテンション上がらないから、オレはただただ嫌だな。マネージャーの車も普段は事務所から20分で自宅に着くのに、6倍の120分かかりました。まぁ自宅前に誰かが作った雪だるまがあって少し和んだかな。

  • Que:雪だるまはなごみますね、下北にも2m位の大型がありました。そんなんでまた地震の日の事を思い出したんだけど、そしたらあの日の出演がデリシャス筆頭のnoodlesだったんだね。なんだか妙にハードな縁を感じずにはいれないのですが…。

    山中:3/11はピロウズは広島にいたんだよね。なのでシリアスな恐怖は体感してない。みんな大変だったよね。



  • Que:前置きが長くなっちゃったけど(笑) 今回はデリシャスレーベルの事から…。最初のリリースはnoodles?

    山中:うん。て言うかnoodlesと出会ってすぐファンになって、紆余曲折あってプロデュースする事になって、でリリースするのに品番が必要でデリシャスレーベルのBUMP 001にしたのがきっかけかな。デリシャス・バンプショウってイベントは元々やってたから。

  • Que:最近はミュージシャンが自らのレーベルを持つ事もそう珍しくないといえばそうだけど、デリシャスができた1999年、バリバリのミュージシャンが、バリバリのレーベルをやることは珍しかったのでは?

    山中:そうかもね。ただオレは他人に興味がある方なんだよね。カッコいいバンドがクオリティー低いレコーディングでCDを作ってると「自分が関わればもっと良いサウンドになる!」とおせっかいが芽生えるのかな。

  • Que:そもそも、レーベルをやろうと思った切欠は?

    山中:本来世の中に自分好みのカッコいいバンドばかりならそんな必要無かったかも。その当時のピロウズは今より全然知名度が無くて、ワンマンは人が入る割にイベントには中々呼んで貰えなかったな。だから自分でイベントを作る必要があった。んで、どうせやるならカッコいいバンドとやりたいじゃない? それがレーベルを始めるきっかけになったと思う。とくにオルタナティブなバンドは少ないから、はみ出し者同士が集まって「こんなユニークな世界があるぞ」と主張したかったのかな。

  • Que:えっ? 誘われないイメージ!? 意外な…。あーでもさわおくんって持ってる気さくさよりも、周囲の人はスッゴイ人だから声なんか掛けちゃだめって思っているのかなあ? ところで、ありきたりだけど、バンドを選ぶ基準みたいなものは?

    山中:基本デリシャス・レーベルはオルタナティブ・ロックのレーベルです。その概念の中で、良い曲をやってるバンドが好きかな。…良い曲って説明難しいな(笑)。

  • Que:えっ? 誘われないイメージ!? 意外な…。あーでもさわおくんって持ってる気さくさよりも、周囲の人はスッゴイ人だから声なんか掛けちゃだめって思っているのかなあ? ところで、ありきたりだけど、バンドを選ぶ基準みたいなものは?

    山中:基本デリシャス・レーベルはオルタナティブ・ロックのレーベルです。その概念の中で、良い曲をやってるバンドが好きかな。…良い曲って説明難しいな(笑)。

  • Que:確かに(笑)。やりだす以前に、気になっていた他のレーベルは?

    山中:4ADかな。

  • Que:それはどんなレーベルだったんですか?

    山中:イギリスのニューウェーブ、オルタナティブのレーベル。古くはPixies、最近だとDeerhunterとか。

  • Que:いま気になるほかのレーベルがあったら、、?

    山中:いや、あまり詳しくないけど、V2レコードとか好きかな…。THE GRAND DADDYとかBlock Partyとか。

  • Que:おっつ! エイミー・マンも在籍してた…。大雑把だけど、リリースって凄く大変な作業なんだろうけど、レーベルをやってみたいと思っている若者がいたら、どんなアドバイスでしょ?

    山中:いや、オレは名前だけの社長なので分からないです。本来予算とか大変じゃない? オレはクリエイティブな決定権を持ってるだけで、売れても売れなくても、お金の動きに無関係なので気楽なもんです。本当の大変さは知らないのです。

  • Que:いい出会いがあったり、素敵なものが完成して、売れたらそれ以上の喜びは無いと思うけど…。

    山中:もちろんそうですね。「売れてない音楽、はみ出し者の音楽」がいわゆるオルタナティブ・ロックなので、相応しいレベルでも売れたら嬉しいよ。

  • Que:苦労話というか、レーベルなんてやめといた方がいいなんていう意見があるとしたらそれはどんな理由ですか?

    山中:ん~。自分が経営者じゃなくてミュージシャンなので、所属アーティストのエゴも理解出来るんですよ。でも予算とか収支を無視は出来ないので現実的なゴールを目指して貰わなければならなくて。その時の打ち合わせがキツいかな。「気持ちは解るけど…気持ちは解るけど…」って葛藤があってしんどい(笑)。

  • Que:なるほど。気持ちは誰よりわかるわけだし、でも限られた時間やお金という話ですね。でも削ったから作品が良くなくなるってもんでもないだろうし、勢いとか言う面ではそれもありだったりするでしょう。



  • Que:その自身のレーベルから、今回は3枚目のソロアルバムが2月13日に発売ですね。タイトルが「破壊的イノベーション」。 これ確立された業界構造ぶっこわせみたいな意味があるんでしょ? ビジネス用語でもあるらしいけど…、なんか凄いっ!

    山中:破壊的イノベーションを説明するには、対比する言葉「持続的イノベーション」の説明が解りやすいと思います。持続的イノベーションは、より優れたモノを提供して勝利しようとする、破壊的イノベーションは既存の市場を破壊するインパクトのあるやり方で勝利しようとする、全く逆の概念だと思います。最先端のデジタル技術が飽和状態になった時に、アナログな技術が受け入れられたりするパターンも破壊的イノベーションの例だと思います。

  • Que:ちょっとアナーキーインザUK以来の超インパクトなんですけど!

    山中:わははは(笑)。そうですか!? たまたま今丁度ピストルズのTシャツ着てる(笑)。

  • Que:繋がる繋がる! つーか現代パンキッシュ!

    山中:誰かにもそう言われました(笑)。

  • Que:それでもって、先に出たシングルが「ANSWER」でしょ。

    山中:はい。

  • Que:意味や意思を探求したくなる展開ですねえ~。

    山中:ソロ作品は3枚目で。今までの2作はthe pillowsと平行して制作してたから、ピロウズとの差別化を意識してました。全編英語詞で、自分の中のサブ・ワークとして楽しんでました。今回はピロウズ活動お休み中だから、意識せず、ピロウズをやるように「素直に今やりたいロック」を詰め込みました。持続的イノベーションのピロウズに対して、このソロ活動が破壊的イノベーションとなり、より活性化するはずだと願ってます。

  • Que:あっなるほどです。ひとつ扉が開きました。その曲の意図とは違うかもしれないけど…さわおくんの中に、今の音楽ビジネスに、バンド社会のあり方に、理想とする、もしくは懐疑的な答えはあるんでしょうか?

    山中:答えと云うか…普通に当たり前に、何もかも全力で、全身全霊で音楽に没頭する以外無いよね。それが出来なくなる日がいつか来るかもしれないけど、今じゃない。明日でもない。



  • Que:では質問の方向をがらっと変えて、人を見るときも音楽を創るときも万遍無い視野を持っている人だと思うけど、そのアイディアとか発想の肥やしになる物ってあると思うんだけど、その部分を育てるために注意してるとか、工夫していることがあれば。

    山中:工夫ではないけど、常にクリエイターのスイッチはオンかな。音楽は勿論、映画を見ても漫画を読んでもCMを見ても、とにかくクリエイティブなもの全て、心惹かれる作品に影響受けたいなぁと意識し続けてます。

  • Que:特に詩に関して聞きたいです。詩の発想。より言葉がシンプルに突き刺さるようになってきているような気もするけど。

    山中:詩は…どうだろう? 他人が思うよりは意味を重視しないスタートで、内輪ウケみたいなジョークをブッ込んでも良いし…んで、積み重ねてるうちに意味が生まれたり。そんなスタートでも心に無い事、本心じゃない事って出てこないからね。

  • Que:なるほど。嘘がないから結果リアルということですかね。the pillowsの話ですが、2000年にGAINAX制作のアニメ「フリクリ」にて楽曲提供をされていますが、当時の印象的なエピソードなどありましたら教えてください。

    山中:当時はタイアップで苦い思いも多々あったから、最初は乗り気じゃなかった。でもレコード会社が政治的に当てはめたんじゃなく、鶴巻監督がピロウズを好きでいてくれての依頼だったから受けました。あまりアニメーション業界に詳しくないから、今イチ状況を理解してなかった。実際はあのおかげで沢山の人と出会い、アメリカでの成功もフリクリがきっかけでした。感謝です。

  • Que:メンバー紹介いきましょうか。まあベーシストはご存知過ぎる鈴木淳くんですが、ドラマー、楠部真也の起用はかなりビックリしたんですが。

    山中:そう? 良いドラムスじゃないすか。

  • Que:もちろんそうなんだけど、プレイヤーとしてじゃなくて、人脈としてビックリした…(笑)。彼は最高にハッピーなドラマーね。一緒に演るきっかけは?

    山中:2ndソロアルバム「退屈な男」で2曲セッションして、とても気分があったから。

  • Que:彼のドラムはかなり癖があるんじゃないですか?

    山中:あるね~。キース・ムーン的だね。ロックンロール。

  • Que:シンちゃん(佐藤シンイチロウ)とは全然違うよね?

    山中:真逆と言っても過言じゃないね。シンちゃんはキャラクターのイメージより頭脳的に緻密に作り上げる人だし、グルーヴもクリックに対して正確だね。真也君は60年代ロックンロールの魂を受け継ぐワイルドなプレイヤーだよね。ロックだ。

  • Que:さら驚いたのが山倉くん。彼はさわおくんの歴からしたら、新人の部類に入ると思うけど…29歳でしょ!?

    山中:そうね。若手だね。でも上手いすよ。

  • Que:彼とゴールドサウンズのことを少し教えてください。出会いとか? 何が気に入ったとか。

    山中:ゴールドサウンズのボーカル・ソングライターの長谷川君が、ラジオの生放送に出演してた僕を待ち伏せてCDを渡されたのです。その音源が好みだったので連絡先に連絡してデリシャスで関わりました。今の彼らの最新作はミックスだけ参加してます。6曲入り600円。安いな(笑)。オルタナティブだけどポップで歌詞も素晴らしいよ。

  • Que:彼とゴールドサウンズのことを少し教えてください。出会いとか? 何が気に入ったとか。

    山中:ゴールドサウンズのボーカル・ソングライターの長谷川君が、ラジオの生放送に出演してた僕を待ち伏せてCDを渡されたのです。その音源が好みだったので連絡先に連絡してデリシャスで関わりました。今の彼らの最新作はミックスだけ参加してます。6曲入り600円。安いな(笑)。オルタナティブだけどポップで歌詞も素晴らしいよ。



  • Que:そんなメンバーとのライブが2月7日大坂、CLUB Queが盟友noodlesと2月24日ですね? その後の活動は?

    山中:3月~6月、全国ツアーがあります。

  • Que:3ヶ月間か~長い~! タフだなあ~。そういえばこのメンバーのQueでの初ライブでまさかのエアコンが全滅したんだよね。あんときも尋常じゃないタフさを痛感したんだよね~。とともに大変迷惑かけました。すいません。

    山中:いや、おかしいと思ったよ~あの暑さ。尋常じゃない汗かいたもん。シャツがずぶ濡れで肌に張り付いて気持ち悪かった。40代の汗だくは好感度ゼロだね。まぁでも酸素はあったからそんなにしんどくなかったよ。ツアー頑張ります。

  • Que:楽器の話訊いていいですか? 使用機材に何かこだわりなどありますか? そして現在使用しているギター「サイクロン」はどのような経緯であの白黒2トーンのカラーリングになったんでしょうか?

    山中:「鳴らして好きな音」としか言えないけど。ギターに関しては…自分はボーカルだし、案外見た目重視だったり(笑)。重いのもパフォーマンス的に嫌だし。あのカラーは勿論マイケル・シェンカーのパロディです。本来フライングVじゃないと微妙だよね(笑)。でも気に入ってますよ。

  • Que:そういえば、大晦日の恒例みたいになったnoodles+山中さわお。これもまた普段見れ無い、よく喋るYOKOちゃんを誘発しているさわおくん。短時間のほろ酔いライブもああいうシチュエイションにおいて、めちゃめちゃ魅力的にみえて最高っす!

    山中:無責任にただただ楽しいす。noodles大好きだし。

  • Que:ミュージシャンが楽しいときは、周りも凄く楽しいですね! その前にCLUB Queに来た時、たしかカミナリグモの日かな? CLUB Queに送られてきたデモテープでいいなと思ってたバンドでEathboundの馬郡くんてのがいて「あれ? 知り合いなの?」って思ったらそれが、the pillowsのコピバン大会で優勝したの?

    山中:あ、そうそう! カバーコンテストでベスト5に残った男の子ね。カミナリグモの打ち上げで飲んだね。

  • Que:あと名も無いバンドだけどフリサトを相手してやってくれて、顔が大きいだけで(笑) 彼らめちゃ喜んでて、あのあとライブが良くなった(笑)

    山中:マジすか。何か懐かれたので(笑)。失礼な人間じゃなければ普通に。男だと尚気楽だしね。

  • Que:あと名も無いバンドだけどフリサトを相手してやってくれて、顔が大きいだけで(笑) 彼らめちゃ喜んでて、あのあとライブが良くなった(笑)

    山中:マジすか。何か懐かれたので(笑)。失礼な人間じゃなければ普通に。男だと尚気楽だしね。

  • Que:そういう軽いドリームみたいなものも繋げてくれるよね~。まあなんだかんだ、知り合って20年オーバーですなあ。色んな事あって一杯聞きたいけど、このくらいかなあ~。さらに20年…おじいになってもアイディアとユーモアと、激とでもって、ロックを牽引しちゃってください!

    山中:ありがとうございます。ここ最近Zeppとか調子に乗ってるけど、そろそろ落ちぶれるので、そんな時でも二位さんに、CLUB Queに見捨てられないように頑張ります。

  • Que:えーまた謙遜しちゃって、そんなところも大好きなんですけど(笑)。では、2/24よろしくです! 忙しいときに時間作ってくれてありがとうです。今年はやけに寒いけど風邪などひかぬように頑張ってください!

    山中:はい。宜しくお願いします!

  • Que:ありがとうござました!

    2013 2/24(Sun)
    "noodles presents OFF THE WALL Vol.12"
    noodles/山中さわお[Vo,Gu:山中さわお,Ba:鈴木淳,Dr:楠部真也,Gu:山倉勇太]
    OPEN / START 18:30 / 19:00 ADV ¥3,000 [1D別]

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