どれだけの人が彼らの復活を待ち望んでいたかが如実にわかる現象だ。 一時期は生活さえままならないほどの病を抱えたボーカルの一色だが、 やっぱり神様は必要な人間に必要な時間を与えてくれるんだろう。 特に信仰ないけどそんな風にも思えてしまう出来事。 絶対的な存在感を放って3ピースバンドの真骨頂ともいえる音楽をもって、 同世代ならず幅広い層に支持されてきたバンドの強みというのもうかがえる。 一色が休んでいる間もドラムの岡本はDQS、THE GIRL、小川はTHE TURQUOISEでの活躍は目を見張る。 2年半の休みの間に当然時は流れ、病気という時間は何かを変えるかもしれない。 仮にすぐに病気前のポテンシャルまで持っていくことが厳しいとしても、 一回りも二回りも彼らの音楽を、重要で真摯なものにしていくに違いないと思う。 例えばギターを弾く、歌を歌うということを一からやり直しているといっても過言じゃないかもしれない。だけど辛い経験は聴く人のこころの奥底まで突き刺さる歌詞や人各の深さに繋がってくる。幾人もの優れたミュージシャンがそうだったように。 2000年に結成されてちょうど10年。10周年のイベントを毎月10日に繰り広げた年末に一色に脳の病気が発覚。突然の入院。彼を励まそうと開かれたイベントの前々日に例の大震災。しかし彼らのエネルギーはライブを開くことさえ困難な中、形を変えつつ皆の動揺がまだぬぐいきれない2011年3月14日に開かれ、ほぼソールドアウトの人を集めて感動と勇気のイベントとなったことも記憶に強く刻まれている。おそらくそれまでのつばきの活動や一色の人柄が無ければそうはなっていなかっただろう。 その後もつばきフレンズとして不定期にイベントが開催され多くの震災後のささくれた人の心に勇気を与えていた。彼らの世代は間違いなく素晴らしい音楽が蠢いていている。それを牽引するセカイイチやLOST IN TIMEやFREENOTEやLUNKHEAD。沢山のバンドマンが集まってつばきの音楽を鳴らし続けていた。それを病室から見守っていた一色の心境など考えも及ばないようなヘビーなものだと思うんだけど、彼は病と戦って努力して勝ち取った。 6月30日のステージにはその過程を感動として皆の前に披露してくれるのだ。とにかく嬉しい。この喜び、音楽の力、人の力、素晴らしいじゃないですか。世知辛いなんて言葉も蔓延している2013年だけど、だからこそ人間力を感じる必要がある。その真っ只中につばきの音楽が有る。 愛媛出身の一色は中学3年生の時にTakamineのアコギを手に入れ大学のサークルバンドを辞め、本格的なバンド活動に踏み入ったのがまさにつばき。順風満帆メジャーデビューを果たすが、把握できないことややらされてる感も多く、自分たちでマネージメントする道。つまりインディーというフィールドにステップアップしその活動基盤が整ってきた直後の病だったのだ。 それからの時間は普通の生活でも幾何かは変化するものだ。ミュージシャンにとっては長すぎる時間だったわけだけど、彼らの音楽がより逞しく、より人から人へ伝達するの為の音楽に変化しているだろう想像を抱きながら6月30日を待つ。 けども、一言でいうなら、ただひたすら元気な一色の顔が観たい。これが本音。
2013 6/30(SUN)
"正夢になった夜vol.13 ~つばき復活編~" つばき/カミナリグモ/Half-Life open 18:00/start 18:30 SOLDOUT!! |