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シーナ&ロケッツ
http://www.rokkets.com/indexjp.html
シーナ&ロケッツ

今月の特集は47都道府県全制覇ツアーを決行中、そしてこれまでの生涯がドラマ化されることになったシーナ&ロケッツ。
2017年11月23日CLUB Queでは1年ぶりのワンマンが行われるのですが、シナロケの初ライブが1978年11月23日。今回記念すべき40回目の誕生日をここCLUB Queで迎えることになるわけです。

初ライブにして初来日のエルビスコステロと共演。鳴り物入りデビューが窺えますが、それもそのはず。ボーカルのシーナさん以外はサンハウスを通して、既にトッププレイヤーだったわけですからね。70年代の中期から80年代初頭の福岡は史上まれに見るような音楽の宝庫で、色んなジャンルのバンドマンが日々切磋琢磨していました。どれも個性的で一つとして同じ様なバンドはいないし、演奏レベルも異常に高かった。今よく言う「若いのに上手いね」という言葉はその頃はなくて、個性と勢いの世界。上手さは当然であったから語る必要もなかったのかも。
シナロケしかり今はベテランで当たり前の人でも、当時は20代半ば。今の上手さとは質が違う表現力があったのです。それは結局お茶の間を騒がすことになる武田鉄也の海援隊やチューリップ、甲斐バンド、井上陽水、長渕剛などを生み出したわけで、そんな競合がひしめき合う少し前に、博多の伝説となるサンハウスがブルースロックからパンクロックへ繋がる架け橋を担っていたと言えると思う。でも一つ重要なのはサウンド面だけでなく歌詞。日本語の面白さと意味づけ。借り物の英詩の翻訳みたいなのじゃなく、日本語の面白さとどぎつさを開拓し、ロックに乗せたのがサンハウスだったんじゃないかな。
そのシーンにシーナが登場した。急にロックにカラフルな色がついたんだと思う。サンハウス時代のレモンティなど名曲を引き継いで華を咲かせた。結果的に物凄く時代を変えてしまった。 既にこのとき鮎川は30歳でシーナの間には2人の娘がいて、今時のバンドマンだと活動を諦めるタイミング。しかしそんなタイミングだからこそ最高にエポックなバンドで勝負に出た。そんなイメージさえ受ける。家族があるとロックできない? いや家族があったからこそロックになったとも言えると思う。素敵なストーリーだ。

ベーシックな演奏力や個性はサンハウス時代に120%磨かれているわけで、疑う余地もなかった。それもにわかなグルーヴではなく、鍛え抜かれたバンドグルーブ。もしも欠点があったとするなら時流より早すぎたってことだけだと思う。
78年11月23日に時流とシンクロした。新型ロケッツは、先鋭的でキャチュなシーナのキャラクターを持って、それまでのどんなバンドも経験した事がない世界に飛び込んでいった。

当時デジタルサウンドの最先端と思えたYMOがシナロケのデビュー時に全面バックアップ。YMOのツアーに鮎川誠が参加することもあったし、吉祥寺でのブルースブラザーズとの飛び入りセッションでは、ジョンとダンを完全に虜にしていたという。それからラモーンズ、ウィルコジョンソン、イギーポップなどとも絡んだ。海を超えてカッコいい音楽は世界へ繋がることも証明した。日本人のバンドとは思えないルックスとサウンドを持って大きくシーンを変えてしまった。なのに…変な言い方だけど、クオリティや経歴を持って虚勢を張るロックバンドが多い中、シナロケは実に自然体で分け隔てなく、相手がふざけてなければ誰とでも真剣に接してくれるスター。それは1ファンからシンガーにシフトアップしたシーナのロックに対する感謝であり愛であったんじゃないかな。

当然デビューしてからシーナの影響は計り知れず、当時高校生だった女子達にも「ロックがやれるんじゃないか? 歌いたい!」と思わせるに十分なインパクトを与えた。10年ほど経ったころか? 80年代後半にはその影響で女子のバンドがかつてなく増えて「ギャルバン」という言葉も生まれたほどだった。男子はセンセーショナルだった「めんたいロック」と呼ばれた、研ぎ澄まされたロックに憧れた。 そこにはサンハウスの系譜であるTHE MODS、THE ROOSTERS、陣内孝則率いるTH eROCKERSなどが名を連ねていたが、その中でもギターヒーローのアイコン的存在になった鮎川誠を見て、「ウマイだけじゃ駄目だ、ギターを弾くなら鮎川さんみたいにワイルドにクールにきめなきゃ」と思わせた。おまけにやたら九州弁に憧れるロッカーが増えた。それに楽曲の幅広さは、パンクやガレージ系の不良少年を高ぶらせる要素がありながら、ポップでアイドリックでハッピーな音楽までを凌駕した。普通には相反する要素を男と女という2枚看板で成立させた。それはミック&キースでもジョン&ポールでもなく、シナロケだった。そんな空気をまとっていた。

ロックバンドをやるならロックの歴史を知るといいと思うんだけど、チャックベリーやエルビス、ビートルズからパンクニューウェイブの流れ。これだけでも十分でしょう。だけどもそこにシナロケの歴史を重ね合わせて、その成り立ちや、そこにある曲たちの進化を研究してみたらいい。グループサウンズからロックへ流れた時代背景や、拘りや地域性も色んな事が見えてくるし。メディアの発展もサイドストーリーとして常に絡んだ話が面白く見えるだろう。シナロケの歴史は、これからのロックにも大きな指針となるストーリーの宝庫です。

11月23日。それはシーナが生まれた日。ロケッツも生まれた日。シーナは2015年2月14日天国に旅立っていったのだけど、シーナ&ロケッツのイメージを崩すことなく、僕らの前から忽然と姿を消してしまった。 日比谷野外音楽堂でのワンマンをやりきったあと、残りの数ヶ月はファンを心配させることもなくロックシンガーとして伝説的に美しく昇華していった。その散り際は美しく研ぎ澄まされた人だけが経験できる、恍惚の時間だったんだろうと思う。ゆっくり穏やかではなく、急ぎ早に全力で残されたエネルギーを使って飛び立った。そしてシナロケは現在も全力疾走中。

悲しみを通り超えて、次の時代への夢と希望を語り継がせる為にシーナは天国へ旅立った。
ただ癌という病気は、誰かれ構わず襲ってくるという現実的な部分もあったけど…。
僕らは悲しみの向こう側の感動を貰い、今もロックを楽しませてもらっている。
シーナ&ロケッツは永遠だし。ロックはずっと流れる。きっと止まらない。

11月23日はロックにとって意味深い日。勤労感謝あらためロック感謝デイ。

シーナ&ロケッツ40回目のバースデイは下北沢CLUB Queにてワンマン!
全世界のロックファンに愛が届く日だと思っています。

CLUB Que 二位徳裕

11.23 [HOL]
"シーナ&ロケッツ40回目のバースディライブ-47ROKKET RIDE TOURファイナル"
シーナ&ロケッツ -oneman-
OPEN 18:00/START 19:00 ADV.¥4,500/DOOR.¥5,000 [1D別]
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