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井垣宏章
http://www.mugenhoso.com/

この1月15日で51歳になる井垣宏章。
51歳といえば通常は初老である。同窓会などに行けば、見るも無残なハゲ頭ばかり...(そんなこともないか！？)けど、井垣くんを見ていると、最近の霊長類ホモサピエンスの寿命が延びてる事がよく分かります。人間ぽくはないけど、初老感など微塵もありません。そのパフォーマンスはまるで動物園の怒ったチンパンジー...いや、失礼。歌うデングリスト...でんぐり返りリストですね。なぜギターを持ったままでんぐり返りできるのか？　そしてなぜ絶叫のまま3時間に及ぶステージもこなせてしまうのか？

今回の生誕祭は、怖い物見たさと人類学研究のために凄いアーティストが集まりました。本人は皆にお祝いしてもらえて嬉しいと言ってますが、たぶんみんな怖い物見たさです。そしてミュージシャンというよりアスリートとして鍛え上げられたような激しくキレキレのステージングは、常人が真似できるものではありません。ギターを弾いている様子は見えませんが、音は割とちゃんと鳴ってますから不思議です。これがオリンピックの競技種目に追加されるなら、井垣くんが優勝です。そもそも参加者は井垣くんしかいませんけどね。
元々は春日丘カルピスを経て1993年に大阪で結成された太陽の塔という5人組のバンドのボーカルでした。1995年にシングル「明日の歌」でデビューしてます。
そうなんです。まがいなりにもメジャーアーティストなんです。
評判は良かったんですが、当時並みいる強豪、ミッシェルガンエレファントやブランキージェットシティに比べるとその「いなたさ」が世に受けることはなく、あえなく1999年CLUB Queのステージで散ってしまいました。

散らかったので部品を拾い集めたらUnlimited Broadcastが結成されました。これは3ピースで身軽だったこともあり。年間180本ほどのライブをこなす完全なライブバンドとして君臨してました。ちょっと良いバンドでした。その様子は映画「Colors of Life」で観る事が出来ます。これもミレニアム巨大ロックムーヴメントからの煽りも受けて、いいとこまで行ったんですがアルコール濃度の高さによる素行の悪さで解散。そう書くと実にロックっぽいけど、ようはバカでだらしなかったからですね。
でもそこが愛され続ける理由でもあります。結局みんなオバカって事ですね。

その後、色んな凄腕ミュージシャンとのセッションバンドを繰り広げているうちに、元ハンサム兄弟の屈強筋肉ドラマー本田太郎くんと知り合いました。それは良かったのですが、周囲の猛反対を押し切って2ピースでの活動を開始。「なぜベースがいない？」「低音はどこだ？」といわれ続けました。
がしかし、これはいけない日本人の先入観だったかもしれません。メンバー数が少なくなった＝ステージは広くなった。だから今までの7割り増しででんぐり返りできるようになったのです。ライブハウスと心の隙間で彼らは暴れまわったのです。まるでボクシングの試合のようです。
そして彼らは勢いあまって無謀な賭けに出ます。アメリカがどのぐらい遠いとか広いとか日本語通じないとかも知らずに、渡米を試みたのです。
そしたらこのサムライハラキリみたいなロックのパフォーマンスは白人どもに大うけするのです！　そうなんです。こっちじゃカスだが、あっちじゃスターなんです。
1967年1月15日、昔は成人式だったその日に生まれ、成人になれないまま異星人の域に向かう井垣くん。スタミナ十分、精神年齢推定2歳で知力不十分。財布力なし。計画性なし、愛され度数高し！
武道館関係者の皆様、建て壊しとかの際には彼に1ステージやらせてやってください。壊すことにおいてはプロなので多少の経費節減になるかと思いますのでよろしくお願いします。