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カミナリグモ

Q:2016年7月1日に「You’re My Witchy Girl」をもって休止宣言をして、3年ぶりのCLUB Queです。「おかえりなさい!」。まず今回のLIVEの布陣を教えてもらっていいですか?

メンバー二人と、ベースはFoZZtone(休止中)の管野くん、ドラムは掘くんです。カミナリグモが休止中、僕のソロライブのサポートをしてくれていた二人で、Queにも出演したことがありますね。僕と全く同学年です。ゴマちゃんも他のサポートや広告音楽の現場でも二人と一緒になることが度々あって、再開のタイミングで同世代のこのメンバーでできたらという話になりました。
管野くんはFoZZtoneの頃からの繋がり、掘くんもそういえば、Queでsleepy.abとツーマンした時の打ち上げに遊びに来ていて知り合って、ちょうど米津玄師の初ライブのサポートをこれからやるっていうタイミングで。ライブ見に行って仲良くなって、やっぱり同い年のミュージシャンってだんだん少なくなって来ているので、一緒にできるのはシンプルにうれしいことだなぁと思います。

Q:2年以上の休み中はどんな感じでしたか?

上野:僕はソロ活動を続けていました。カミナリグモとしていつかライブ活動は再開できるようなイメージはあったのですが、また新曲をコンスタントに作っていく活動は、当面は実現しないだろうと考えていて。カミナリグモで制作途中の未発表曲もたくさんあったので、それらも含めて、カミナリグモとは別に曲を作って発表していく形態として「かけらフィルム」というソロプロジェクトを始めました。バンドがあった上でのソロ活動とは違って、ここでカミナリグモの続きのようなことをやろうとしたんですけど、カミナリグモとして作った曲はどうしても上手くいかなくて、当時は曲作りの段階からゴマちゃんの音が鳴っていたんですよね、きっと。今後はカミナリグモの続きはもちろんカミナリグモでできるので、ソロ活動では一人でも再現できるシンプルな音楽をやりたいと思っています。

カミナリグモ

成瀬くん(ゴマちゃん)と久しぶりに会ったり、音を出してみて、どんなことを思いました?

僕のライブを見に来てくれたり、広告音楽の仕事でやり取りすることもよくあったので、人として久しぶりという感じはなかったのですが、やはり去年末二人でやったワンマンのリハーサルでカミナリグモの曲を久々に鳴らした時は、やっぱり感慨深いものがありましたね。バンドだったり楽曲に対するお互いの愛情みたいなものを再確認できたような感覚はあったかなと思います。

カミナリグモは2002年活動開始で、5年後の2007年にゴマちゃんが加入。このときにやっぱり永遠のメンバーみたいな感覚は出来たんでしょうか?

永遠というのは昔から信じてないですけど(笑)、長野の大学で一人で活動を始めて、2003年には同じ大学のゴマちゃんに出会って、すぐに意気投合して曲に鍵盤を入れてもらったり、ライブで一緒に演奏したりする中で、とにかく周りの評判が良くて、またシンガーソングライターである自分とアレンジャータイプのゴマちゃんとは音楽的にすごく相性が良いという感覚は、今までずっと確実にあったと思います。

声が特徴で、その声質だけで言いたいことの半分を物語れる声だと思います。歌を歌おうと思ったきっかけや、音楽をやりだした最初の頃の自分のイメージをよかったら教えてください。

小学生の頃から音楽を聴くことや自分で歌うことが好きになりました。最初は普通に90年代のJ-POPです。でも当時は今とは全然違う歌い方ですね。もっとJ-POP的な歌い方というか。もしかしたらその時の方が一般的には歌が上手かったかもしれません(笑)。中学校に入ってギターで弾き語りをするようになって、すぐにオリジナル曲を作り始めたら、夢中になって。自分はソングライティングの天才じゃないか、という思い込みがきっかけですね(笑)。歌を歌うのは好きでしたが、曲を作り始めてからはその延長のような感覚でした。歌だけでいうと、他人の歌を歌ってる方が無責任で楽しいですね。自分の歌は難しい(笑)。

自分の歌を歌うことが難しいと思う理由は、どんなとこですか?

やっぱりシリアスな曲が多くて、かつ自分のことを歌っている曲だったりするので、気軽に歌えないというか。カラオケで他人が書いた悲しい別れの歌でも気分良くエコーきかせて歌えたりするじゃないですか? そういう風にはなかなか歌えないので、楽しく気分良く歌うというより、世界の中にどっぷり入って歌った後、ちょっと疲れるような感覚というか、そんな感じです。

カミナリグモ

上野くんには、素晴らしい2面性を感じるんですが、たとえば普段物凄く文学派のイメージがします。が、実は野球やったらピッチャーが出来るような運動神経の良さ。物静かなようで、絶対的な負けず嫌い。そんなような独特の感性や空気感を形成したと思える、子供の頃の出来事、印象に残っている経験を教えてください。

思ったことははっきり言うタイプでしたね。先生にも年上にも。小学校6年生の頃は身体も大きかったので、年上のヤンキーに絡まれても引かないタイプだったり、危なかしかったと思います(笑)。成長が早い人あるあるなんですが、中学校からどんどん追い抜かされていく感覚というか、それが劣等感に変わっていって、曲の世界観につながっていったのはあると思います。後は小学校入る前に重病で1年ほど入院していて、絵を描いたりプラモデルを作ったり一人遊びをする時間が長かったので、職人気質なところはその期間の影響が大きいかもしれないですね。

いくつかの山や谷を越えて、いままた強く奏でていこうという意思だと思いますが、上野くんにとって「音楽」ってそもそもなんですか? 超漠然とした質問ですいません。

たまたまアウトプットしているものが「音楽」という感覚ですね。とにかく作ることが好きで、でも10代でギターを持って曲を作り始めた時の衝動は特別だったんだと思います。音楽活動を始めて、自分は異端だなぁとしみじみ感じるんですよね。人前に出ることがあまり好きではない、というかあまり向いていない。ライブハウス界隈のシーンにいるからだとは思うんですけど、成功している人はとにかく人間力が物凄くて、負けたと思うことばっかりで。そもそも自分自身に興味を持ってほしいという感覚がないのが致命的で(笑)。作ったものを好きになってほしい気持ちは人一倍あるし、自分の声も含めて作ったものには自分が気に入ってるのと同じように共感してもらえる魅力はあるとは思っていて。
なので、自分が人として大衆から好かれる要素や商品力があるとは全く思ってはないんですけど、曲の良さを伝えるためにライブだったり、人間的なところは頑張っているという感覚です。その分、作るところはしっかり拘ってやらないといけない自覚がありますね。

人としても興味をそそる部分は凄くたくさんありますよ。それはそのまま商品価値だとも思うんですけど、でもその感覚が独特の個性的なオーラを放っているんですね。この時間の経過の中で、変わったことってあります?

デビュー当時は自分たちのために動いている人がたくさんいたり、自分たちに掛かっているお金のこととかをすごく気にしてましたね。規模感でいうと10倍くらいにステップアップしないといけない中、なかなか数字が変わらない。このままだとメンバー、サポートメンバーも含めて周りにいる人たちと音楽を続けていくことはできないと危機感ばかりで。でも自分以外の人たちは「カミナリグモだけ」という訳ではなかったので、みんな楽観的で一人で焦って落ち込んで苛々していました。レコード会社と契約期間が終わって、これ以上みんなに迷惑はかけられないと思って、本当はその時に一旦区切りをつけようと考えてたんですけど、ゴマちゃんが「何と言おうと絶対やめない!」って言ってくれて、音楽的な部分ではもちろん確信があったんですけど、気持ち的な部分の確信はその時からですかね。その後、ゴマちゃんの環境の変化もあり、活動休止してしまいましたが、それがあったから、解散ではなく休止で、いつかはまた演奏できるんじゃないかという希望がありました。再開してみて、お客さんさんや関係者もまた応援してくれる人がたくさんいて、休止前、休止中にそれぞれ培ったものが良い感じに融合されて、今後更に充実した形で動いていけると感じています。

カミナリグモ

新作もすでに発表しましたよね。どんな内容ですか? って音楽を言葉で説明するの難しいと思いますが、初めてカミナリグモに触れる人向けに簡単にイメージを教えてあげてください。

去年末、活動再開に合わせて、無理やり間に合わせたデビュー10周年の二人ライブに向けて作った曲です。ライブで新曲をやりたい、というのもゴマちゃんの発案でした。僕はとりあえずライブが出来たらいいやと思っていたので、最初は嬉しいのと驚いたのが半々くらいで。活動再開後始めて配信リリースする曲としては色々候補があったのですが、活動再開の流れからこの曲が良いんじゃないかということになりました。ネガティブな意味じゃなくて、ここ数年「終わっていく感覚」をリアルに感じるようになってきたんですよね。でも人生の折り返しに向かうまでにあった焦りや恐怖感みたいなものが、折り返して「終わりに向かうぞー」となった時に、逆に残りの時間が美しくて大切なものに思えるようになったというか。楽しもうとか好きなことをやりたい、そういう意味では「自分たちが好きな曲を作って、それを楽しみにしてくれている人に聴いてもらいたい。そういう人たちとライブで空間を共にしたい」という気持ちが純粋に強くなりました。そんな想いが自然と詰まった曲だと思います。

東京暮らしも長くなったと思いますが、東京はどうですか?

住み始めてからずっと違和感ないですね。何かと便利です。友達は少ないですけど(笑)。

そして、カミナリグモを知っている人へ、これからのカミナリグモの野望や、まだ出会っていない人たちへのコメントを自由にお願いします!

とにかく曲を作って発表していくということは好きで続けていくと思うので、知ってくれている人とはもちろん、新しい活動を一緒に楽しんでいきたいし、これから出会う人とも気が合うなぁという感じで仲良くしたいです。昔はいつかいなくなるんだろうとお客さんを信頼できない時もあったんですが、今はフラットにその時その時のリリースやライブを一緒に楽しみたいという気分です。発表したい曲がたくさんある、これからも曲をたくさん書きたい、それを楽しみにしてくれる人がいるっていうのは作り手としてこれ以上ない幸せですね。

カミナリグモ

ありがとうございました! 久しぶりのカミナリグモのライブであり、久しぶりのCLUB Que。スタッフ一同楽しみにしています。
インタビュー・文責:二位徳裕

リリース情報

アニバーサリー

2019年3月20日リリース
■カミナリグモ配信限定シングル『アニバーサリー』
01.アニバーサリー
02.Half Asleep
※iTunes、amazon、music.jp、レコチョク、apple music、LINE MUSIC、spotify、Google Play Music、YouTube Musicなど主要配信サイトにて配信中
https://apple.co/2Jrt3fU

公演情報

2019/5/18
THE 四半世紀 Que25th SPECIAL【SILVER JUBILEE】
"カミナリグモ BAND ONEMAN LIVE『OUR TREASURED SCRAPPY SONGS』"

カミナリグモ -oneman-

OPEN 17:30/START 18:00 ADV.¥3,500/DOOR.¥3,800 [1D別]
Que 16:00~22:00 発売中
ぴあ [144-979]・LAWSON [72812]・イープラス [http://qq2q.biz/QjYQ] 発売中
LivePocket [https://t.livepocket.jp/e/que20190518] 発売中

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