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2007.3.25
「CHOICE!」
ザ・カスタネッツ/PLECTRUM

ザ・カスタネッツとPLECTRUM、それぞれ十分過ぎるキャリアを持ちつつも新鮮さを保つバンド。今日はそんな2バンドが、春雨の上がった代々木で熱いライブを行った。先ずはPLECTRUMの登場。一度止まってしまった時計のネジを再び巻いて、以前より大きく手を振って歩いている。まさにグッドメロディーのオンパレード、10年余り前のデビュー曲でも全く色褪せない。甘酸っぱい青春の切なくなるような感覚を思い出させる。また、春のような暖かさと、ふいに起こる清涼感もこのバンドの持ち味である。何かをキャッチしてしまったかのようなタカタのMCと、それに穏やかに対応するアッキーの一言。その二人を見守る他メンバーとお客さん達、居心地の良い空間が其処にあった。「帰る時にみんなに笑顔で居て欲しい」と願い作ったという「スイートホーム」それがみんなに届かない訳は無いのだ。続いてザ・カスタネッツが引き継ぐ「よっこいせーっと」と登場、場が一気にカスタ色に変わる。PLECTRUMが春のそよ風なら、ザ・カスタネッツは暖かい大地みたいに強く優しい。切ないメロディーと歌声、曲が始まると何をも入り込む隙は無い。いたずらっ子の目をしたVo.牧野元のMCはいつにも増して面白く、とにかくステージに立っている間中、心を掴んで離さないのだ。「One-Piece」からEn「Through」まで、新曲を挟み全10曲を余所見をさせずあっという間に演奏。4月にはレコーディングで篭るらしいが、どんな新作を引っさげて帰ってきてくれるのか楽しみでならない。初期衝動とは違う何か熱いものを秘め、今日もステージに上がるPLECTRUMとザ・カスタネッツだった。だけど無理の無い歩幅でずっと一緒に音楽を共有できる、そんなバンド達なのだった。 「文、藤井美奈 撮影、藤野亜寿香」


PLECTRUM


ザ・カスタネッツ
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