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2007.9.17
NO NAME DESIGN presents 「I am a CHICKEN vol.4 ~少し遅めの夏祭り、無色透明売ってるよ!!~」
NO NAME DESIGN/ナミノネ/Gimme5/黒猫財閥

まだ夏服をまとった体に、初秋の風が心地よく吹いてくる。季節の変わり目の切ない風情が漂う今日「一足遅れた夏祭り」が行われた。スクリーンに映し出されたオープニングムービーに躍る「TENSION1000%」の文字に、観客たちの期待感やお祭り感が高まった。最初に登場したのはGimme5。3人そろって最初の音を出した瞬間「これぞ男子!」という音圧と勢いを感じた。タテノリで元気いっぱいの曲たちを力強さでしっかりと支えつつ、繊細さも併せ持つドラムや、ボーカルの澄んだ声に個性が詰まっていた。そして2組目はナミノネ。キーボード&ツインギターを擁する5人バンドだ。メンバー各自がそれぞれ自由にリズムに乗って、大きく体を揺らしながら音を奏でている。メンバーたちの動きや厚くて心地よい音の波にのせられて、観客たちの心と体も自然と動かされる。おしゃれさと激しさの同居する曲は音数も豊富で、その迫り来るようなハーモニーや音圧に胸がいっぱいになり、張りさけそうになる。するとその次の瞬間、急に音数が少なく静かになった。静寂の中、丁寧なドラムとベースだけが響く。さっきまでの音の多さとのギャップにハッとさせられ、「静と動」それぞれの良さや趣を心から感じた瞬間だった。そしてまた少しずつ音が増えていき、全員でグルーヴしながら大切に曲を紡いでいく。メリハリを大切にしたグルーヴィーな演奏が、会場全体を気持ちよく揺らしていた熱い時間だった。次は黒猫財閥。ボーカルとベースの二人は女性。二人のしなやかな動きや瞳の輝きは猫にも似ていて、バンド名とのつながりを思わせた。少女っぽいみずみずしさを備えたのびやかな声で、生き方や人の本質に迫る歌詞を歌い上げ、観客に元気を与えてくれた。最後は疾走感あふれる3ピースバンドNO NAME DESIGN。「本気で歌うから、みんな楽しんでって!」の言葉を皮切りに「伝えたい」という思いがこもった演奏を展開してくれた。MCでは「時間と手間をかけてグッズの製作やイベントの企画をすることで、みんな(観客)が喜んでくれることがうれしい」と切々と語った。その温かく素直な言葉を裏付けるかのように、感謝の気持ちをこめた優しい表情で語りかけるように歌う。この温かい歌と強い思いがあれば、彼らの思いはこれからも様々な人たちに伝わっていくことだろう。幕間に「負け残りジャンケン大会(イベントTシャツプレゼント)」などのゲームも織り交ぜて作られたアットホームな雰囲気の中、各バンドがのびのびと個性を発揮して、一足遅れた夏祭りを楽しませてくれた。[文/菅 真由子、撮影/藤野 亜寿香]


Gimme5


ナミノネ


黒猫財閥


NO NAME DESIGN
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