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2007.10.20
「THE CORONA presents ~ウワサの楽園 Vol.1~」
THE CORONA/CaSSETTE CON-LOS
DJ>橋本徹(SUBURBIA)/西岡英朗(CENTRAL)

10月も下旬に入り、少し肌寒くなってきた代々木の夜。一歩Zher the ZOOに足を踏み入れると、そこはミラーボールの光やスクリーンに映る動物たちの鮮やかな画、続々と訪れる観客たちの熱気ですっかり暖かくラテン風味に染まっていた。DJ>西岡英朗(CENTRAL)が選んだ明るいラテンの曲たちに揺られて観客たちの心も十分に暖まったところでTHE CORONA PRESENTS「ウワサの楽園 VOL.1」がスタートした。 最初のバンドは「CaSSETTE CON-LOS」。南国の太陽のように明るく乾いていて少し鼻にかかった、それでいて渋みのあるボーカル・ワダマコトの声は、ソウル、アフリカなどさまざまな要素を含んだCaSSETTE CON-LOSの楽しい音楽にピッタリ合っていて、CaSSETTE CON-LOSの強力な個性となっている。セミアコースティックギターのパラ、パラッというはっきりした陽気な音も、南の島の雰囲気を盛り上げてくれる。サックスとフルートを操るヤマカミヒトミは胸を張った凛とした佇まいで美しい旋律を添えていた。それぞれの楽器が自由さを持ちながら楽しく演奏しつつも、キメの部分はズバッと合わせて十分な迫力を出していた。そのあとのDJ>橋本徹(SUBURBIA)はアントニオ・カルロス・ジョビンのトリビュートアルバムからの選曲で、ラテンムードな会場にさらなる彩りを加えてくれた。 そしていよいよ「THE CORONA」の登場だ。オープニングムービーでは、このライブが開催されるに至る経緯がドキュメンタリーチックに示されていた。「ウワサの楽園への招待状を受け取ったTHE CORONAのメンバーたちが 『空とぶジャー』に乗ってある島に到着した。その島に置いてあった楽器や衣装を使ってこのライブをしようと思い立った。」というストーリーだ。随所に散りばめられたメンバーたちのユーモアや、きちんとどこかの島やスタジオで撮影された映像の緻密さに、観客からは笑いや歓声が絶えず沸き起こり、大いに盛り上がった。楽園への招待状を持って舞台に登場したメンバーが位置につき、演奏が始まる。メンバー全員が圧倒的なテクニックを備え、楽しみながらもすべての音をていねいにていねいに、心をいっぱいに込めて演奏している。舞台上の楽しさと緊張感が伝わり、客席にも心地よい緊張感が広がる。ハワイアン、ラテン、ヨーロピアンなど様々な音楽を内包した曲に、愛や人間についてなど大きなテーマを込めた詞が乗り、伸びやかでおごそかな、すーっと一直線に耳と心に入ってくるボーカルUIの美しい声となって会場に響き渡る。楽器と歌が一緒に盛り上がるところ、楽器が盛り上がるところ、歌が盛り上がるところのメリハリがついていて、観客にとって、とても乗りやすく心によく響く。生きることや大地や地球や大きな愛を感じさせる不思議な力を持ったTHE CORONAの曲に魅了され、クリスマスのワンマンライブがとても楽しみになった。秋になっても、冬が来ても、ここだけはいつでも熱く陽気な楽園であることだろう。これからも是非とも続けていってほしいイベントだ。[文/菅真由子、撮影/勝亦恭大]


CaSSETTE CON-LOS


THE CORONA

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