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2007.11.30
「QUIP magazine×THE NOVEMBERS×monokuro presents「いそ松君」」
THE NOVEMBERS/monokuro/HOPE THE
opening act>idiot Box

明日から12月、代々木の街並みはほとんど冬の色に染まっている。北風で冷えた体をロックなイベントで暖めよう。"QUIP magazine×THE NOVEMBERS×monokuro presents「いそ松君」"が幕を開ける。オープニングアクトは二人編成の「idiot BOX」だ。「俺たちにはロックの神様がついてるから今日は3人編成だ!!」の言葉通り、ストレートで芯のあるサウンドからはロックが、そして二人が今ステージを楽しんでいるという気持ちがとめどなく流れ出てきて観客たちに伝わってきた。金髪ウイッグをなびかせながら、思いっきり力強く叩くドラム、そしてラウドな音を響かせるギター。メンバーは二人でも音の薄さはまったく感じさせない。「俺はギャル曽根よりすげー!」と叫ぶドラム山口の壊れっぷりに観客たちの楽しさも倍増し、良い雰囲気が漂う中、イベントがスタートした。1バンド目は「HOPE THE」。キラキラしたギターの音、タイトにチクタクとビートを刻むドラム、地声でまっすぐに伝える歌声、効果的なコーラス…、全てが溶け合ってきれいにおさまっている。後奏を長引かせずにスパッと曲が終わるところにも「きれいさ」「潔さ」を感じる。思い思いにステージを動く様子が印象的で、特にギターボーカル北村仁が片足を軸に半回転する、ネジ巻き人形のような特徴的な動きが、ステージに華を添えていた。そして次は「monokuro」。「We are monokuroちゃん!!」というギターボーカル磯谷直史の叫びと共にスタートした。軽やかに繰り出される潔いドラムの音にライブ感があふれている。メンバー各自が心の向くままに体を動かしながら奏でている。連打のキメを全員であわせるところは最高に息が合っている。サイケな雰囲気を漂わせながら、しなやかに動く姿や、曲の合間に磯谷が発する自然でさりげない奇声に、強烈な個性やロックが目いっぱいにこもっていた。monokuroの自然な姿からロックが溢れていた。最後のキメで音を出した瞬間、メンバー全員が煌いたように見えた。ドラム中川の瞳が特に輝いていた。monokuroのライブの一つ一つの瞬間に「生きている」ということを漠然と、とても大きく感じさせられた。自然体で、なおかつ力溢れるライブをしてくれたので、観客たちの心や会場の中にとても心地良いものが残った。最後は「THE NOVEMBERS」。鋭いギターの音と叫びでいきなり観客たちを惹きつけた。音色をとても効果的に使っていて、特に柔らかいアルペジオがとても印象的だった。海の中にいるかのようなゴーっというエフェクトも取り入れ、丁寧に使い分け、彼らの頭の中にある豊かなイメージを音にしていた。濃厚な個性あふれるバンドたちのロックにどっぷり浸かれるこのイベントがあれば、冬の寒さもなんのそのだ。[文/菅真由子、撮影/五十嵐聡子]


idiot Box


HOPE THE


monokuro


THE NOVEMBERS

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