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2008.2.4
「OGAWA presents ~self-produced Birthday #31~
結局やっぱり今夜はみんなと一緒にパーティーがしたいんです 」
つばき/ザ・ガールハント
GUEST>ランクヘッド
DJ>DJ OGAWA/和田"TJ"大樹(hare-brained unity)
SPECIAL GUEST DJ>マスザワヒロユキ(テルスター/ザ・ガールハント)

話題の3組によるライブということで、昨日積もった雪をものともせず、会場には開演前からあふれんばかりの人が集まり、ところ狭しと詰まっている。10代後半から20代前半の観客が多く、今日の出演者たちが若者からの強力な支持を得ていることを実感させる。今日31歳の誕生日を迎えた「つばき」のベース小川氏のセルフプロデュースライブは幕を開けた。外の雪を解かしてしまいそうなほどの熱気に包まれた会場に、最初に登場したのは4人バンド「ザ・ガールハント」だ。「盛り上がっちゃうぞウォホホホー!!!」とアゲアゲな雰囲気で登場。シンプルでストレートなビートにのせて、チバ氏とマスザワ氏が交互に、心から楽しそうに歌う。ベースのクリハラ氏の身体表現は表情豊かで、曲のアクセントの部分に合わせて大きく目を見開いたり、心のままに体を動かしたりしながら演奏しており、舞台の景色に彩りを添えていた。懐かしさを感じさせるシャッフルビートの曲では、観客たちも楽しくノリながらザ・ガールハントの世界に浸っていた。「今日は俺たちのワンマンライブに来てくれてありがとう!」とジョークも忘れずに放ち会場を沸かせていた。観客たちは演奏と共に、彼らのとめどない軽口にも存分に楽しませてもらっていた。2番目はゲストの「ランクヘッド」。スマートな見た目と熱い演奏。正統派のストレートなロックという感じを受けた。鋭さとしなやかさを兼ね備えた演奏で観客たちの心をつかんでいた。曲中の静かになるところで、這うように高音を奏でるベースが効果的だった。ギターボーカル小高氏の汗が色とりどりのライトに光って演奏の熱さを物語っていた。たまむし色の靴を履いた今日の主役・つばきの小川氏も途中で登場してランクヘッドとのセッションを楽しみ、会場の雰囲気はより一層和んだものとなった。そんな中、いよいよ「つばき」の登場となった。シンプルな演奏の中にどことなく哀愁が漂っていたり、メリハリがあったりと味わいがある。スネアドラムの「コッ、コッ」という温かみのある音は女性らしさを感じさせるとともに、つばきのサウンドを支えるアクセントになっている。今日が誕生日のベースの小川氏からは「昨年末に結婚しました!」という喜びの報告もあった。誕生日に結婚報告と喜び事が重なり、観客たちもさらに温かい気持ちになって盛り上がる。アンコールはユニコーンのカバーで「すばらしい日々」。普段は歌わない小川氏がこの曲ではボーカルとなり、今日への思いをこめて熱唱した。そんな小川氏を、演奏しながら客観的に見つめていたギターボーカルの一色氏は曲が終わって、「小川君が歌う姿を普段は見れないから観察してたんだよ。小川君はこんなに熱唱するんだねえ」と一言、笑いをとっていた。メンバーから小川氏への花束贈呈、それに対する小川氏からの「この花束、ずっと楽屋にあったよね!」というツッコミも心温まる笑いを誘っていた。小川氏からの「今までの誕生日の中でいちばん最高の誕生日になりました!ありがとう!」という熱い挨拶のあとは、マスザワヒロユキ氏による激しいDJタイムとなり、またもや会場はお祭り騒ぎとなった。流れるスピッツの曲に合わせて和田氏は激唱しつつ激踊りをし、そのバイタリティーを発揮していた。会場を出ると、帰路に着く観客たちを見送る小川氏の姿があった。観客一人ひとりと握手をして見送る小川氏を見て、彼の今日のイベントへの思い入れや感謝の気持ち、音楽が繋ぐものをひしひしと感じた。最初から最後まで、心がいっぱいにこもったイベントだった。
[文/菅 真由子、撮影/藤野 亜寿香]


ザ・ガールハント




ランクヘッド




つばき
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