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2008.5.22
LIVE!LIFE!!STYLE!!!
Fox loco phantom/STAN/HARISS

初夏のちょうど好い陽気に誘われて体を音楽にのせたくなっている開演前の観客たちは、今か今かとロックが爆発する瞬間を待っている。さっそうと登場した一バンド目は「Fox loco phantom」。はじける四つ打ちドラムや、その上で怪しく動くカラクリ調のアルペジオが不思議と心地よく耳に残る。メンバーたちの存在そのものが「グワァァァァー!!!」と一身に託された音だからこそこんなに一つ一つの音に深みがあって、観客たちをとりこにするのだろう。はっちゃけた姿や飄々とした姿・・・全員がそれぞれに醸し出す素敵な「味」が、一つの大きなカタマリになって迫ってくる。MCタイムにおけるヨダ氏と観客の外国人カメラマン(阪神タイガースのキャップをかぶっているので通称「阪神」)の絡みは即興漫才のようで、客席を爆笑の渦に巻き込んでいた。そんな気取らなさや情熱的でフレンドリーなステージング、そして彼らそのもののようなHOT&COOLな音は相まって観客たちの心に一直線に入り込んでいた!次は落ち着いた佇まいで登場の3ピースバンド「STAN」。手数が多くシャープで熱いドラムと、丁寧に奏でるベース。指揮者のような手つきでリズムを取りながら弾き語るギターボーカルは「大殺界」などの印象的なフレーズをこめた曲たちを鮮やかに紡ぎ出していく。彩り豊かな3人がきっちりとまとまったステージだった。最後は「HARISS」。4人の笑顔から放散される朗らかオーラは会場に広がり、観客たちも自然と笑顔になっていた。「パッションでいきましょうよ!」の言葉通り、ボーカルのAKIRAは汗だくになりながら通りの良い声で渾身の歌を届けてくれた。懐かしさと新鮮さを含んだ、いつまでも愛したくなるような美しいメロディのロック。「曲の展開に合わせて抑揚する歌心」と「百面相(顔で叩いているかのように表情豊かで楽しいドラマー)」を併せ持つドラムの音がそのサウンドを支える。最後の「ロックス」という曲では軽やかなシャッフルビートが響き渡った。瞬間をかみしめつつひたすら踊って楽しんで、会場全体が溢れるパッションに浸っていた。「"そのまま"が詰まった素直な姿、素直な音にこそ人は惹かれるのだ!そしてこういうライブこそが、それらに間近で触れることができる場所なのだ!」ということを強く感じさせてくれる、生命力にあふれた魅力満載のライブだった。これぞライブ~~! [文、菅真由子/撮影、Dan]


Fox loco phantom


STAN


HARISS

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