50年代のポップ・グラフィックを彷彿とさせるイベント・フライヤーを見た時点で、
良い意味でオールドな空間になりそうだと感じていた。
トップの「OKAMOTO'S」は動きも音もインパクト大。
マラカスやダンスに目を奪われている間、
ガレージやファンクを盛り込んだサウンドで耳の中にも猛アピール。
終盤で「素敵なライブに招かれてハッピー!」と目を輝かせていたのが印象的であった。
続いては「sister jet」。やや甘めで特徴的な歌声が、残響的に頭を巡り、心を刺激する。
ポップで陽気なラインが中心かと思いきや、少しホロリとさせるメロもあり。
「3人のマジックを信じている」という言葉が素敵で、何だか熱い気持ちになった。
バンドはこうでなければ。
3番手は「ハッチハッチェルバンド」。軽快なバイオリン・パフォーマンスを披露し、
会場から大歓声が沸き起こる。季節外れの『ジングル・ベル』を演奏するなど、
テンポよく意表を衝いてくるし、豪快なステージングを見せてくれた。
大航海時代の西洋の港酒場の賑やかさ、
そして日本の昭和前期のムード歌謡の哀愁を併せ持つバンド。楽しすぎる!
そしてラストは企画者の「アナログ時代」。
レトロな風貌の3人だが、黒髪を振り乱してロック・ビートを熱く掻き鳴らす姿からは、
新進的なオーラが強く出ていた。3人が奔放に暴れているようだが、
実は抜群の調和を生み出すような"仕組み"のようなものが完成されており、
見ていてとても気持ちが良かった。
アナログ時代でもデジタル時代でも、ロックには通底する何かがあると思う。
要はいつでも楽しいってこと。[文、工藤涼子/撮影、小林由希]
|
OKAMOTO'S
sister jet
ハッチハッチェルバンド
アナログ時代
|