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2009.7.20
"都会の迷子さん2周年SP企画第2弾! ~大橋裕之ロックフェスティバル~"
前野健太/後藤まりこ+岩見継吾(ミドリ)/ニーネ/シャムキャッツ/drumno
SUB STAGE>松倉如子  上映>短編アニメ「山」

ここ数年、恒例となっている海の日の企画、「都会の迷子さん」。企画者は一個人。最初はただの音楽好きがこうじて、好きなバンドを並べたい、という純粋な気持ちで始めて、今ではここZher the ZOOだけでなく、各地でその独特の空気を作るまでに至っている。今回はイラストレーター大橋裕之氏と合体イヴェント。都会の迷子さんに新しい風が入った。まずはdrumno。すでに会場(ホール)側にドラムが3台セッティングされている。ほぼインプロ。まるでドラムが生きているような感覚。一台が呼吸すればそれに呼応する他のドラム。音楽というよりアーティストを感じた。そして今度はステージでのライブ。各地で噂になっているシャムキャッツ。独特の空気とテンポ感を持っている。以前出演していた時よりも、世界観が圧倒的だった。将来がすごく楽しみ。今度はサブステージで、松倉妙子の弾き語り。彼女も非常に独特。たたずまいも声も、歌詞も。最小限の音で自分を表現する。ある意味ごまかしの効かないステージ。ゆえに圧倒的なオーラだった。次に登場したのは、後藤まりこと岩見継吾。今回はウッドベースと歌のみのシンプルな編成。やはり彼女も強烈な個性の持ち主。ミドリとは全く違うとも言えるし、その姿勢は一緒でもある。椅子に座って歌う彼女は、会場ではなく何か別の何かを見ながら歌っていたようだった。そしてこれを目当てに来場した方も多かったと思う。共同企画者の大橋氏の短編アニメの上映。ほっとするような、それでいて笑ってしまう、まさしく彼のキャラクターそのものだった。是非機会があったら彼の漫画をみて笑顔になってほしい。じわじわきいてくるから。そしてステージでは前野健太。いや、世の中すごい人がまだまだいる、痛感させられた。エレクトリックギターと歌。これは言葉にしても安っぽくなるが、こんなアーティストが日の目をみないなんて。見ていて鳥肌がたつのが分かる。会場にいる誰もが固唾を呑んで見守っていた。終わって、ほっとして、久しぶりに仕事を忘れた自分にびっくり。最後はニーネ。変わらないすごさ、その姿勢を僕も見習いたい。甘酸っぱくてちょっと泣ける。いや、中身が濃すぎて終わった後、頭がボーっとしてしまった。まだまだ知らない音楽がある以上、僕たちライブハウスはそれを紹介していかないと。ちなみにここでの次回の「都会の迷子さん」は、2010年1月。楽しみ。[文・撮影/安斉昌晃]


シャムキャッツ


後藤まりこ+岩見継吾(ミドリ)


前野健太


ニーネ

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