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2011.7.15
"Zher the ZOO YOYOGI 6th anniversary ~LIVE LOVE LIFE~ 「LIVE STYLE」"
うつみようこ&YOKOLOCO BAND/FURS

3/11、それはまだリハの時だった。とてつもない揺れを感じ、店内にあるTVでニュースを見た。それはまるで映画のようだった。東北地方を襲った大地震。それはもちろん東京にも影響がでた。なんとかたどり着いたメンバーと相談した結果、ライヴの延期を決めた。16年ライヴハウスで働いてきて、初めての経験だった。それから4ヶ月後、念願の2マン。まず先行はFURS。すごく久しぶりに出演。この仕事をしている悪い癖として、なんとなくバンド名、ホームページ等をみて「こんな感じだろうな」という想像をしてしまう。バンドの魅力はライヴにあると思って働いているライヴハウスの人間が思うことではない。久しぶりに観た彼らのオーラにやられてしまった。ステージ上での立ち振る舞いから、お客さんに対して、「魅せる」ライヴができる稀有なバンド。ルーツはUKロックにありつつ、そのサウンドはあくまでもポップ。ちゃんと計算されているのだ。見ていてワクワクさせてくれる。このようなバンドはそのステージングに目が行きがちだが、特筆すべきはリズム隊。どんなにテンションがあがっても、タイトなリズムを刻んでくる。だからこそボーカルとギターが自由にステージ上を彩ることができる。もちろん、それだけだとただのうまいバンドだが、独特なギターの音色と、やはり決め手はボーカルの色っぽさだろう。見ていてグッと引き込まれる。あっという間の一時間、そして後攻は、うつみようこ&YOKOLOCO BAND。長い間、音楽シーンで活動してきた5人だからこそ出せるグルーブと、オトナの余裕。その5人の存在感だけでも一見の価値あり。互いを殺さず、全ての音がそこになければなく、信頼して安心して音を出している。演奏している側が楽しいのだから見ている側にも伝染してくる。相変わらずうつみさんのMCはかわいらしく面白い。関西人、といったら失礼か。そんなMCも挟みつつ、演奏が始まるや否や、いきなりトップギアに入る5人。ロックであるとか、唄モノだとかではなく、まさしく音楽をしているのだ。ライヴ終了後、打ち上げの際、やはり皆の話の話題は、原発。今まだ終わっていないし、これから何年続くか分からない。だが立ち止まっていては、何も変わらないし始まらない。音楽は人を救える、そう信じて。[撮影/文 安斎昌晃]


FURS


うつみようこ&YOKOLOCO BAND

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