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2011.12.11
"Groovin' Time!"
THE PRIVATES/nil/クロワニ

寒さと忙しさが同時に押し寄せてくると、今年も終わりかと少々センチメンタルな気持ちになるのは、寂しいということだろうか。でもこの月にしか出来ないイヴェントも多々ある。その中でも、12月2週目の日曜は、ロック好きにはたまらない面子が揃った。トップバッターは、最近耳の早いリスナーにはすでにおなじみとなった、クロワニ。荒々しさは残したまま、よりソリッドに、そしてよりタフになってきた。歌もしっかり前にでて、ライブ感も更にパワーアップして、見るものをグイグイ引っ張っていき、あっという間の45分。ほぼノンMCで、突っ走った。ボーカルイチロウ氏の、色っぽく歌う姿にグッときた人は多かっただろう。そして初登場、nil。いやー、かっこよかった。ごくシンプルな3ピースのロック。ただ3ピースとは思えない曲のアレンジやクオリティ、ステージング、演奏力。こうやって文字にすると少々安っぽいが、その独特の雰囲気にやられた人も多いだろう。遠慮がちにしゃべるその姿とは裏腹に、いざ演奏が始まると、一気に加速していく。あっという間のステージ。世の中かっこいいバンドがまだたくさんあるかと思うと、ワクワクする。そして大トリ、THE PRIVATES。もう30年近くロックを鳴らし続けている彼らは、音楽や楽器、ライブが生活、もしくは彼らそのもの。その彼らの生き様を見せられたら、感動する以外ない。自然とにやけてしまう。もちろんCDで音楽を聞く良さもある。ただライブのその瞬間の空気感とか、感情とか、やはりその場にいないと分からない。性別や時代を超えたかっこよさ。外はだいぶ寒くなってきたが、体の芯がゾクゾクする感じ。是非ライブハウスに足を運んで、まだ出会えてない音楽に触れてみたら、少しだけ得した気分になることだろう。
[文/撮影、安斎昌晃]


クロワニ


nil


THE PRIVATES

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