語弊があるかも知れないが、ライブハウスに関わらず何か[イベントを作る]というものは誰にでも出来るし、そして許されている。アーティストとして参加するのでは無く、裏方としてイベントそのものを創り上げる。そこに熱意や意思を込めて。この日はそんな0から100までを1人で組み上げた女子高生イベンター"すーずーずー"の渾身の1日。開演と同時に、イベンター自身が用意したショートアニメーションを起用したアーティスト紹介で幕開け。この日はイベンターの魅力に惹かれた、魅力あるアーティストが揃った訳だが、トップバッターは旧知の仲the peggiesでスタート。彼女達も同じく10代で、等身大であると同時に、少し背伸びをしたメッセージを届けてくれた。VoによるMCも見もの（聞きもの？）。変です、彼女達。そして夢見てるからの派生ユニット、安部くんとマーボーがシンプルにアコースティックに聴かせてくれた。前回ウチで出た時のバンドスタイルとは当たり前だが全くの別物。彼らの人柄からは感じづらい、唄が持つ威力に皆釘付けにされてしまった。一変した空気を更に変えるのはクレイマン・クレイマンだった。ステージングはエモく、激しいものであったが、何か表現出来ないある種優しさがしっかりとフロアに届く。胸に残るのは安心。そしてイベントも終盤。ひらくドアから今夜限りのスペシャルユニットとして登場し、それを指揮するのはタカユキカトー。彼と親交の深いアーティストも駆けつけ、お客さんにもだが、イベンターである彼女にとっても最高のプレゼントになっただろう。そしてトリは明るくキャッチーに、ミートザホープスでシメる。長く楽しい、夢のような時間にもやはり終わりはやってくる。しかしそんな悲しさも抱えて踊れと叫び続けた。メロディは愉快に、体は弾む。ひとしきり笑ったら、ホール全体にも沢山の笑顔が溢れていた。すーずーずーが創り上げたイベントが、皆の物となり、最後には全員で創り上げた。イベントってこういう事なんだと改めて認識した。帰り際、私が『イベント、またやってよ』と言ったら『"すーずーずー"である限り、やめないです』と彼女はそう笑って帰路についた。
[文/撮影：Zher the ZOO 後藤瞬］