ブッキング冥利に尽きる一日だったのですが、まず始めに申しますと、この日の出順は悩みました。悩んで悩んで悩みきっての出順。いやぁ困った一日。こんな日は本当に起こるんですよ、何かが。

まずトップを独特な歌唱方法で色鮮やかに飾ったのは、先日行われたポップアート作家である奈良美智氏とのイベントが賑わいを見せた田中茉裕。切れ味抜群な高音や包み込む低音にと、全身を隅々まで水の様に潤してくれた。乾いた心には丁度良く、ひとつ言える事は、彼女の声・メロディ・歌詞ひいては存在の前では虚勢など無意味だという事だ。初っ端から参りました。 続いてステージ上には宇宙まおが登場し、堂々とヘンテコな暖かい楽曲群を披露。出演するたびに変わってゆく彼女。彼女の成長のスピードには正直ついていくのがやっとなのですが、皆さんはついていけていますか？アッパーで単純明快な新曲引っ提げ楽しませてくれた。もう本当に"間違いのない"アーティストなのですよ。
そしてザーザズゥの若手代表バンドのうちの一バンド、aireziasが、なんと初披露の新曲を1曲目にチョイスしてくるという勝負に出てきた。うん、「凄い、いい歌」でした。今夜の彼らはアドリブ利かせまくりの計5曲だった。強気な発言で失礼ですが、まだ彼らを知らない方々、もったいないですよ。
初出演にしてラストを飾るのはpaionia、このラストバッターは必然にして最善だった。泥臭い土臭いそしてなんとも人間臭いステージングには、聞くもの観るものを思いにふけさせ、そして希望を見せる。このタイトルが付くと必ず名曲な「東京」は圧巻だし、ラストの「素直」は泣きのメロディが鳴り響いた。こんなにも心が動くものかと、それは俗に言う"感動"なのだと教えてくれた。

全四アーティスト共に次世代音楽シーンのエース級で、最高＆最強なライブで幕を閉じた訳だが、久しぶりに観たりないし聞き足りない。こんなメンツなかなか無いよ。この日来場された方々、ネクストシーンを体感しましたよね？

[文/撮影：Zher the ZOO 後藤瞬］